希少金属のひとつであるプラチナは金と同様に実物資産の投資商品として取引されています。
しかし、同じ実物資産であっても金とプラチナは値動きの傾向が異なり、投資スタイルに応じて慎重に選択しなければなりません。
また、価格の高騰が続く金に対して、プラチナの価値が今後どのように変化していくのか気になっている方もいらっしゃるでしょう。
本記事ではプラチナの価格が変動する要因や今後の価格予想について解説します。
目次
プラチナの価値の現状
プラチナは自動車産業や宇宙開発、医療器具などに用いられる素材であり、工業分野において欠かせない貴金属です。
また、リングやネックレス、ブレスレットなどのジュエリーに用いられるケースも多くあります。
2024年5月の時点でプラチナ1gあたりの価格は5,000円〜6,000円程度で取引されています。
2020年のコロナ禍では一時3,000円を割り込む場面もありましたが、その後は経済の回復とともに価値は高まってきました。
プラチナの価値は金と比べてどうなのか?
希少性の高い金属と言えば真っ先に金を思い浮かべる方も多いと思いますが、過去累計の採掘量で比較すると金は17~19万トン、プラチナはわずか7,200トン程度と言われており、希少性で見ればプラチナに軍配が上がります。
しかし、1gあたりの価格で比較するとプラチナは5,000円台、金は13,000円台(いずれも2024年5月時点)となっており、希少性が高いプラチナよりも金の方が高値で取引されている状況です。
このような逆転現象が発生する理由として、用途の違いを考慮しなければなりません。
金は主に投資の実物資産や宝飾品の素材としての用途が多いのに対し、プラチナは大部分が工業分野に用いられています。
特に自動車産業での触媒需要が多く、自動車の売れ行きが低迷するとプラチナの需要もそれに比例して下がってしまう傾向があります。
実際に2008年に発生したリーマンショックでは世界の経済が急激に冷え込み、自動車業界も大きな影響を受けました。
その結果、プラチナの価格が1gあたり7,000円台から2,000円台にまで急落した過去があります。
プラチナと金の値動きを比較してみると、プラチナは景気の動向に連動した値動きになりやすいのに対し、金は景気後退時に価格の安定性を発揮しやすいことが分かっています。
そのため両者を投資目線で比較した場合、プラチナは運用次第で短期的なリターンを狙える可能性があることから投機色が強い一方、金は守りの資産運用に適した長期的な投資商品と言えるでしょう。
プラチナ価格が変動する要因とは?
ここではプラチナの価格が変動する要因を見ていきましょう。
工業用需要の変化
先述したとおり、プラチナは自動車産業や宇宙開発などの工業分野において欠かせない素材のひとつであり、その過半は工業用需要によるものです。
主に自動車や水素・燃料電池関連技術の触媒としての需要が多く、これらの工業製品の製造が安定している時にはプラチナの需要は高まり、価格も上昇する傾向があります。
反対に不況による工業用需要の低迷などプラチナの需要が急激に冷え込めば、当然ながら価格も下落します。
産出国の情勢
世界各国で使用されているプラチナですが、実はプラチナの産出は全体の約6割を南アフリカが担っており、南アフリカの政治的・経済的な情勢が価格に大きな影響を与えます。
例えば、南アフリカ周辺で戦争や紛争などの気運が高まるとプラチナの産出そのものが停滞するほか、海外への輸出にも制限がかかるなど供給が不安定になることは想像に難くありません。
それらの要因からプラチナの需給関係に乱れが生じることが懸念されると価格が大きく変動するケースがあるのです。
主要な消費国の景気
プラチナの価格は需要と供給のバランスによって決まり、特に重要となるのが消費国の経済情勢です。
自動車産業が盛んな日本や米国、ヨーロッパなどではプラチナの需要が多く、これらの国の景気が良くなると自動車の売れ行きが安定し、プラチナの需要は高まります。
プラチナの価値がなくなることはある?
資産運用において多くの人が懸念するのが「大切な資産が失われる可能性はないか」という点ではないでしょうか。
株式や債券といったペーパー資産の場合、発行体の業績の低迷や倒産などによって資産価値を失うリスクがあります。
工業分野における需要が低下したとしても、宝飾品の材料としての用途があり、プラチナそのものに資産価値があるため、金と同様にインゴットとして保有しておくという選択肢もあります。
以上からプラチナは経済情勢によって価格が下落する可能性があるとは言え、実物資産であるがゆえ、価値がゼロになってしまうことは考えにくいでしょう。
20年後のプラチナ価格を予想
プラチナに限らず、どのような投資商品であっても値動きの予想は難しく、将来的にどうなると断言できるものではありません。
プラチナ価格を予想する上では、工業分野の動向を把握しておくことが重要なポイントと言えます。
特に需要の高い自動車業界では、EVシフトが進みながらもしばらくは内燃機関(エンジン)を搭載した自動車の生産が続くことやプラチナを電極触媒に使用する燃料電池自動車の普及期待から今後もプラチナの需要が続くことが予想されています。
更に、プラチナは太陽光発電設備においても使用される素材であり、再生可能エネルギーの分野で需要が高まっている点も注目すべき点でしょう。
一方、技術革新が進むことでプラチナよりも安価に調達できる代替材料が見つかり、需要が減退する可能性があるかもしれません。
金とプラチナのどっちを買うべきか
投資の目的や資産運用のスタイルは人によって異なるため、一概にどちらが良い・悪いと評価できるものではありません。自分自身の資産運用のスタイルにマッチした投資商品を選ぶことが大切です。
先述したとおり、金は安全資産としての役割を担うことが多いのに対し、プラチナは景気の動向を受けやすい投資商品です。
そのため短期的に大きなリターンを狙いたいという場合にはプラチナ投資の方が向いていますが、その分リスクも大きいため慎重な運用が求められます。
一方、長期的な運用を前提にリスクをできるだけ抑えた守りの資産運用を行うのであれば、金投資が向いていると言えるでしょう。
ただし、金投資であっても価格が高い時に買ってしまう“高値づかみ”のリスクを忘れてはいけません。
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なお、価格の変動幅の大きいプラチナの方がドルコスト平均法の効果を享受しやすいという側面もありますので、プラチナの購入を検討されている方はプラチナ積立を検討されてみてはいかがでしょうか。
ドルコスト平均法は、価格が高い時には少ない量を、安い時には多くの量を購入するため、長期的に積み立てることで高値づかみのリスクを抑えられることが大きなメリットです。
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まとめ
プラチナは金以上に希少性の高い貴金属ではありますが、2024年5月現在、1gあたりの価格は金よりも安価で取引されています。
プラチナの価値が変動する主な要因は需要の変化や産出国の情勢、消費国の景気などが挙げられ、将来的な価格変動を予想するのは難しいことです。
また、プラチナはその需要の特徴から景気動向との連動性が高く、短期的なリターンが見込める一方、価格変動リスクが高い投資商品とも言えます。
長期的な運用を前提にリスクを抑えた投資を行いたい方は、まず純金積立を選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。
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