
金価格の上昇が注目される中、銀も投資商品としての魅力が高まっています。特に銀は貴金属としての側面と工業分野において利用される側面を併せ持っているため、投資を考える際には金と異なる視点を持つことが必要です。今回の記事では貴金属としての銀の特徴や魅力についてご紹介します。
目次
- 銀は世界的に供給<需要の状態で今後も大きな需要が見込まれている
- 銀は金に比べて価格の変動が大きい
- 積立購入等で少額から投資が可能である
この記事のポイント
銀の埋蔵量と産出量の現状

銀の需要は特に半導体や太陽光発電設備の需要増加に伴い、世界的に増加しています。一方で銀の産出量は横ばいが続いている状況です。
現在の埋蔵量
The Silver Instituteが発表したWorld Silver Survey 2024の資料によると、2023年の銀の世界総供給量は31,437トン、2024年予測で31,222トンとなっており、ほぼ横ばいの数字です。この傾向は2015年以降、大きな変化はありません。
一方で、World Silver Survey 2024の資料によると、銀鉱山由来の銀の埋蔵量は2022年の約113,400トンから約107,700トンまで減少しています。
採掘可能年数について
銀の埋蔵量や生産量および将来の需要増加を見込むと近い将来に埋蔵量が枯渇すると考えられます。採掘技術の進歩や新たな鉱床の発見により、採掘可能年数が延びる可能性もありますが、後述するように銀の需要は飛躍的に増加しており、埋蔵量がさらに早期に枯渇するリスクも懸念されています。
ちなみに銀の生産量は過去10年間、鉱山生産量(約26,000トン/年)、リサイクル供給を合わせほぼ一定(約32,000トン/年)であり、銀の鉱山生産量は亜鉛鉱や鉛鉱等の副産物として生産されるため、一概に増やすことは難しいと言われています。
銀の主要産出地と需要

銀の産出地は世界的に偏りがあり、ヨーロッパ・アフリカ・東南アジアではほとんど採掘されておらず、産出量の多い地域は中南米・中国・ロシアなどに集中しています。
主要産出国
世界最大の銀の産出国はメキシコで、2023年には6,290トンを産出しました。中国・ペルー・チリ・ボリビア・ポーランド・ロシアも銀の主要産出国であり、これらの国が世界の銀供給の大部分を占めています。近年ではチリ・パプアニューギニア・ブラジルなどが2023年で前年度比20%以上の産出量の伸びを示しており、他国の産出量の低下を補っています。
日本の銀の供給状況
日本では銀の供給を主に輸入に依存しているのが現状です。以前は生野銀山や石見銀山など、国内のいくつかの鉱山から銀が採掘されていましたが、現在では銀の産出が限られています。その一方で銀のリサイクルも進んでいます。
需給バランスの今後
2024年の世界的な銀の需要予測は37,918トンとなっており、供給予測の31,222トンに比べ20%以上上回る見込みです。需要に対して供給が追いついていない主な要因として、半導体や太陽光パネルの生産増加が挙げられます。
太陽光パネルに使用する銀の量は、2013年と比較すると約10年間で40%ほどに減少しているものの、それを上回る勢いで太陽光パネルの生産が爆発的に増加しました。今後は新たな再生可能エネルギーの開発や普及が銀の需給バランスを左右する重要な要素となるでしょう。
銀価格の推移の特徴について

銀の価格は金に比べてやや価格変動が大きいのが特徴です。銀の価格推移の特徴を踏まえ、現在の価格が過熱しているかどうかを慎重に見極めて、投資を判断する必要があるでしょう。
需要によって左右される
銀は金と比べて工業製品の生産に伴う需要の増減によって価格の変動が大きい貴金属です。景気が後退すると工業用の需要が減少しやすいため、銀の価格も下落しやすくなります。
金価格に連動する
貴金属的側面から銀価格は金価格との連動性が高い特徴があります。金価格の変動が銀価格にも影響を与える傾向があることはこれまでの歴史が示すところです。
産出国の状況に影響を受ける
銀の主要産出国はメキシコ・中国・ペルーなどですが、産出地域に偏りがあるため、世界情勢や地政学的な要因によって銀価格が大きく変動する可能性があります。ロシアも銀の主要産出国のひとつであり、ウクライナ侵攻が少なからず銀価格に影響を与えたことも事実です。
資産としての銀の魅力と課題

銀は資産として魅力的な要素があります。近年太陽光パネルや半導体だけでなく、電気自動車にも銀が使用されており、今後も長期的に需要の伸びが期待できるでしょう。しかし、過去には短期間で大きく価格が変動したこともあり、価格変動リスクには十分警戒する必要があります。
銀の魅力
銀はインフレヘッジやポートフォリオの分散投資手段として魅力的な商品です。金と比べて価格は安く、少額から投資できるのも大きなメリットと言えるでしょう。足元では需要が供給を大きく上回っており、これから一大産業として期待されるBEV(バッテリー式電気自動車)にも銀が素材として活用されます。このような経済状況は銀価格の上昇要因のひとつとして考えられるでしょう。
銀投資の今後
銀価格は金価格の約80分の1(※2024年10月29日の国内小売価格)と比較的購入しやすいことが特徴です。過去5年間の銀価格と金価格の動向を見てみると同水準の価格パフォーマンスであることが分かっています。このことから銀は金と比べて市場規模が小さいため、価格変動が大きく市場の急変により資産価値が大きく減ってしまう懸念もありましたが、現在では金積立だけでなく銀積立もおすすめできる投資方法と考えられるようになりました。このように他の投資商品と組み合わせて資産運用することが求められるでしょう。
主な銀投資の方法

主な銀投資の方法には銀積立、ETF(上場投資信託)、現物購入、先物取引の4種類があります。順に紹介していきましょう。
銀積立
銀積立とは毎月一定の金額で銀を積立購入する投資です。少額から購入でき、他の商品と組み合わせることで分散投資することもできます。ドルコスト平均法を用いた長期的な投資により価格変動リスクを軽減する効果が期待できるでしょう。
ETF(上場投資信託)
ETF(上場投資信託)は証券取引所に上場している投資信託です。銀ETFの場合は銀相場に価格が連動するように運用される投資信託です。貴金属のETFは必ずしも現物を購入、および保管(現物保管型)しているわけではないので、当社のマイ・ゴールドパートナー(銀積立)とは異なるものです。
投資家は証券取引所を通じてリアルタイムでETFを売買できるため、価格の透明性が高いという特徴があります。また、銀積立と同様に銀ETFは少額から投資可能です。
現物購入
現物購入とは実際に銀地金(インゴット)や銀貨、銀製品を購入して保有する方法ですが、保管場所を考え、保管料などのコストが必要になります。
先物取引
先物取引は将来の特定の時点における銀の価格を予測して行う取引です。FX(外国為替証拠金取引)などと同様に証拠金取引を利用してレバレッジをかけ、少額の資金で大きな取引を行うことができます。リスクとリターンが高い取引なので日頃から市場価格の変動に注意を払う必要があり、他の投資方法に比べると専門的な知識が求められるでしょう。
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まとめ
銀は投資商品として世界の投資家から注目されているほか、産業界でも需要が伸びている傾向です。特に太陽光発電や電気自動車などの分野で銀の使用が増加しており、今後の需要拡大が期待されています。このように銀価格は世界経済の状況や工業生産の動向にとても敏感に反応します。また、銀は金と比べて市場規模が小さく、価格が乱高下する傾向がありますが、価格変動リスクを軽減するドルコスト平均法を利用して、銀積立を始めてみてはいかがでしょうか。
※本記事は更新時の情報です