
貴金属投資のひとつとして知られるプラチナですが、2025年5月あたりから大幅な価格上昇を見せています。この急激な価格上昇にはどのような背景があるのでしょうか。
ここでは、プラチナの価格推移や上昇している主な要因、今後の価格動向について詳しく解説していきます。
目次
- プラチナは史上最高値に迫る価格上昇を見せている
- 価格上昇には需要増・供給減の背景がある
- プラチナ投資の際は特徴が異なる純金積立と組み合わせることもおすすめ
この記事のポイント
プラチナの価格推移

プラチナがドル建てで史上最高値を記録したのは2008年前半で、その時の1グラムあたりの小売価格は7,000円台で推移していました。しかし、リーマンショックの影響で大幅な下落を記録し、2008年10月頃には1グラムあたり2,000円台まで低迷しました。その後、プラチナ価格は上下を繰り返しているものの、いまだ2008年のドル建ての史上最高値は更新されていません(※2025年8月27日時点)。
現在は2025年5月頃からプラチナ価格が大きく上昇し、2025年8月27日時点の1グラムあたりの小売価格は7,183円に達しています。長らく金に隠れた存在であったプラチナですが、足元では史上最高値を更新する期待が高まっている状況です。
プラチナ価格が上昇している背景

プラチナ価格が大きく上昇している背景として、主に次の4つが挙げられます。
それぞれ詳しく解説していきましょう。
南アフリカにおける生産量が減少している
プラチナの主な産出国は南アフリカ共和国で、2024年には鉱山での総供給量約179トンのうち南アフリカでの産出が約129トンを占めていました。そのため、鉱山からの総供給量は南アフリカに大きく依存していると言っても過言ではありません。
しかし、2025年2月に南アフリカで発生した洪水被害により、アマンデルブルト鉱山でのプラチナの生産量に影響が出ています(すでに鉱山での採掘作業は再開されている)。また、2025年5月以降は構造的な現物供給不足の問題もあいまって、2025年の年間生産量は減少する見込みです。
このような供給不安から「プラチナの需要が供給を上回る」という見解が広まり、プラチナ価格が上昇する一因となっています。
リサイクル供給が改善されていない
プラチナは南アフリカを中心とした鉱山での採掘に加え、リサイクルによる供給も行われています。例えば、主にディーゼル車の排気ガス浄化触媒に使用されるプラチナは、廃車から回収してリサイクルすることが可能です。
しかし、自動車製造の技術向上により自動車自体の寿命が延びていることから、プラチナの二次供給量は伸び悩んでいるのが現状です。そのため先ほどと同様にプラチナの需要が供給を上回るとの見通しが広がっていることも、プラチナ価格を押し上げる要因のひとつとなっています。
工業用素材として底堅い需要がある
プラチナは工業用素材としての需要が大きいことが特徴です。実際にプラチナの需要に関するデータを見てみると、自動車触媒や化学分野、歯科・生物医学、電気・電子機器などの需要が半数以上を占めています。
直近のプラチナ価格の上昇はこの工業用需要の底堅さも大きな一因です。例えばプラチナは水素製造や燃料電池などの素材として使われることから、今後の脱炭素社会への流れがより強まることで、需要の拡大が期待されています。
金の代替投資先としての需要が強まっている
プラチナは金の代替投資先としての需要も増加しています。金はプラチナと同じ貴金属投資のひとつですが、世界的なインフレやトランプ大統領によるプラチナへの関税懸念などに見られた地政学的リスクを背景に価格高騰が続いている状況です。
金は安全資産としての需要が強い傾向ですが、割安な価格水準にあるプラチナを選ぶ投資家も増えています。
さらに、プラチナは優れた耐久性と変質しにくい特性があるため、宝飾品としての評価も高く、特に中国では需要が拡大している模様です。
プラチナ投資の注意点

価格上昇で注目されているプラチナですが、投資する際に注意したいポイントがあります。
価格が景気動向に左右されやすい
プラチナは自動車触媒としての需要が約4割を占めており、工業用素材として根強い需要がある貴金属です。そのためプラチナ価格は景気動向に左右されやすい傾向にあります。
つまり、景気が後退する局面に入ると、工業用素材としての需要が減少することから、プラチナ価格が下がる可能性があります。従って、プラチナへ投資する際は今後の景気動向に注意を払うことが必要です。
一方で、同じ貴金属投資である金は国や地域を問わず共通の価値が認められているため、世界的な恐慌や有事の際に景気が後退しても価値は低下しにくく、中長期的には価格も下がりにくいという特徴があります。
技術革新によって需要が減少するリスクも
これまで世界経済はさまざまな技術革新を繰り返しながら大きな成長を遂げてきました。最近ではAI技術が注目されているように、今後も新たな技術が生み出されていくでしょう。
技術革新は私たちに利便性をもたらす一方、産業構造に大きな変化をもたらします。前述のプラチナは工業用素材として根強い需要がありますが、技術革新によってプラチナよりも安価で代替できる素材が見つかることがあるかもしれません。その場合、プラチナの需要に大きな影響を与えることから、価格の下落につながることも考えられます。
貴金属投資ならプラチナ積立と純金積立の併用もおすすめ

プラチナも貴金属投資の選択肢のひとつですが、資産運用の安定性を重視したい方は、プラチナ投資とあわせて毎月任意の金額で積立購入する純金積立がおすすめです。プラチナと金は主な価格変動要因が異なるため、違った値動きをする資産をあわせ持つことで分散投資の効果を期待できます。
プラチナ積立や純金積立は、価格が上がっている時も下がっている時も一定額を買い付けていくことから、購入単価を平準化できるメリットがあります。これを「ドルコスト平均法」と呼び、高値づかみのリスクを低減しながらプラチナや金を購入できる点が大きな魅力です。
直近は価格が上昇していることから「高値圏での購入にならないか不安」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。プラチナ積立や純金積立であれば購入のタイミングを分散できるため、価格変動に一喜一憂することなく、長期的にプラチナ投資や金投資に取り組むことができます。
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まとめ
プラチナ価格が大きな価格上昇を見せている背景には「南アフリカにおける生産量の減少」や「金の代替投資先としての需要」など需要と供給のバランスの変化が挙げられます。今後もこうした環境は継続すると見られるものの、プラチナ価格は経済動向に左右されやすい点にも注意が必要です。
プラチナ投資を検討する際は、安全資産として知られる金へ投資する純金積立もあわせて取り組むことを検討するのが賢明と言えるでしょう。
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