
貴金属はその希少性の高さから人気の投資商品のひとつです。しかし、一口に貴金属と言っても金やプラチナなど複数の種類があり、それぞれの価値や特徴は異なります。
そのため「投資するなら金とプラチナどっちがいいの?」と悩む方も多いかもしれません。本記事では金とプラチナの価格変動の特徴や需要の違いを解説し、ご自身に合った資産形成のヒントを提供します。
目次
- 金とプラチナは用途や地上在庫、価格変動要因が異なる
- 近年は金の方が資産価値が高い
- 安全志向を求めるなら少額からスタートできる純金積立がおすすめ
この記事のポイント
金とプラチナの違いとは?

金とプラチナはどちらも貴金属ですが、主な用途や地上在庫、価格変動要因が異なります。まずは金とプラチナの違いについて学んでいきましょう。
主な用途
金とプラチナはどちらもよく知られた貴金属ですが、実は用途に違いがあります。一般社団法人日本金地金流通協会が公表したデータによると、2023年に金で最も需要が高かったのは宝飾品加工で、年間の総需要 約4,950トンのうち約2,190トンを占めました。次に需要が高いのは投資で、金地金(インゴット)や金貨などの需要が年間約940トンとなっています。
一方、同協会のデータによると、2023年時点のプラチナの用途として最も需要が高いのが工業製品の素材であり、全体の約4割が自動車分野でした。プラチナは宝飾品の他にガラスや化学分野、歯科・生物医学分野でも活用されており、主に宝飾品や投資目的としての需要が高い金とは用途の面で大きく異なると言えるでしょう。
地上在庫
金とプラチナは地上在庫の量も異なります。地上在庫の定義については金とプラチナで異なっており、詳細は以下のとおりです。
- 金:有史以来、人類が採掘・精製した金の総量
- プラチナ:年末時点で市場に流通するプラチナのうち、ETF(上場投資信託)や取引所が保有する分、鉱山生産者・精錬所・宝飾製造会社の加工用在庫を除く、消費者の所有には含まれないプラチナが対象
World Gold Councilが2025年2月に公表したデータによると、金の2024年時点の地上在庫は約21.6万トンでした。金は古くから宝飾品や投資先として重宝され、中央銀行の準備資産として保有されてきた背景から、多くの国で長年にわたり蓄積されてきました。
一方、World Platinum Investment Council によると、2024年時点でプラチナの地上在庫は約105トンとなっています。これは地上在庫の定義が異なることも一因ですが、プラチナは主に工業分野で使用されるため、長期的に蓄積されにくいことも大きな要因と言えるでしょう。
価格変動要因
金とプラチナは価格変動要因も大きく異なります。金価格は主に物価動向や金利動向、地政学的リスクによって影響を受けやすいことが特徴です。例えば、インフレが進むと資産価値を維持するための資産としての需要が高まり、金価格は上昇しやすくなります。
また、金利が低下すると相対的に金の投資対象としての魅力が高まり、価格が上昇する傾向があります。さらに、紛争や経済危機などの不安要素が高まると、リスク回避の動きから安全資産の金へ資金流入が増えることも特徴です。
一方、プラチナ価格は経済情勢や産業需要による影響が大きいと言われています。特に自動車産業での需要が大きな鍵となっており、好景気で自動車の生産量が増えるとプラチナの需要も拡大し、価格が上昇しやすくなります。逆に景気が低迷すると工業用需要が減少し、価格が下落しやすくなります。
金とプラチナ、資産価値はどちらが高い?

投資商品を決める際に気になるのが資産価値の高さです。金とプラチナではどちらの資産価値が高いのでしょうか。価格推移をもとに解説していきます。
近年は金の方が高い
2025年4月3日時点での小売価格は下表のとおりです。
金 | プラチナ | |
店頭小売価格(消費税込)(1gあたり) | 16,379円 | 5,203円 |
出典:三菱マテリアル ゴールドパーク(※2025年4月3日時点)
同じ重量であっても金はプラチナの約3倍の価格となっており、資産価値の高さが際立っています。この背景には金価格が近年右肩上がりで上昇を続けていることが関係しています。
金は世界経済の不確実性が高まると安全資産として買われる傾向があり、インフレや金利動向、地政学的リスクの影響を受けやすいのが特徴です。特に近年では地政学的リスクの高まりや経済の先行き不透明感が強まったことで金の需要が高まっています。一方、プラチナは主に産業需要に左右される傾向があるため、価格の上昇は金に比べ限定的です。
過去の価格推移
投資商品を選ぶ際は長期の価格推移を把握した上で、その動向を理解することが大切です。ここで金とプラチナの長期の価格推移を比較してみましょう。
・金価格(1978年~2025年3月)

出典:三菱マテリアル ゴールドパーク 金価格推移 長期(1978年~2025年3月)
・プラチナ価格(1981年~2025年3月)

出典:三菱マテリアル ゴールドパーク プラチナ価格推移 長期(1981年~2025年3月)
上のふたつのグラフは、いずれも約45年間の価格推移を示していますが、金価格はおおむね右肩上がりに推移してきたことが分かります。リーマンショック時に大きく上昇した反動で2013年頃に大きな下落が生じたものの、その後は回復を続けており、直近では最高値を更新している状況です。
一方で、プラチナは大きな上昇と下落を繰り返しており、金に比べ価格変動幅が大きいことが特徴のひとつです。また、過去最高値を更新している金と異なり、プラチナは景気動向との連動性が高いことから、リーマンショック前の水準に回復していないことが見て取れます。
投資目的別の選び方ガイド

ここまでご説明した金とプラチナの違いを踏まえて、それぞれがどのようなタイプの方に向いているか、その特徴をご紹介しましょう。
安全志向の方には金が向いている
金は安全資産として知られており、経済の不確実性が高まる局面においても価値が維持されやすいことが特徴です。物価動向や金利動向、地政学的リスクなどの影響を受けて価格が変動するものの、長期的に見ると右肩上がりに上昇を続けてきました。そのためリスクを抑えながら資産を守りたい方にとって、金は魅力的な選択肢と言えるでしょう。
また、金には定期的に定額購入する純金積立という方法があります。純金積立とは毎月任意の金額を設定して金を積立購入する方法です。純金積立はドルコスト平均法という購入方法により、価格が上がっている時も下がっている時も一定額を買い付けていくことで金を購入するタイミングが分散されることから、購入単価を平準化できるメリットがあります。直近では高値での推移が続いており「今購入することが不安」と感じる方もいるかもしれません。
その点、定期的な定額購入が可能な純金積立であれば、投資のタイミングを分散することで高値づかみのリスクを軽減することができます。少額からもスタートできるため、まずは純金積立を検討してみるのもよいでしょう。
短期的にリターンを追求したい方にはプラチナが向いている
一方、プラチナは金に比べて価格変動の幅が大きいことが特徴です。そのため売買のタイミングによっては短期でリターンを狙える可能性があります。
ただし、その分リスクが大きくなる点には注意が必要です。売買のタイミングを的確につかむのはプロの投資家でも難しいため、日頃から市場の動きを注視し、慎重に判断することが求められます。
三菱マテリアルではプラチナ積立も行っています。純金積立同様、定期的に定額購入していくため購入単価を平準化でき、価格変動幅の大きいプラチナの方がドルコスト平均法の効果を享受しやすいというメリットもあります。短期的にリターンを追求したい方はプラチナ積立をベースにスポットで売買することを検討してみてはいかがでしょうか。
リスク分散として両方に投資するのも有効
金とプラチナは主な価格変動要因が異なることから、両方をあわせ持つことも有効です。異なる値動きをする資産をあわせ持つことで分散投資の効果も期待できます。
また、分散投資として純金積立やプラチナ積立を取り入れることも有効な手段のひとつです。前述のとおり、純金積立やプラチナ積立は投資のタイミングを分散することで高値づかみのリスクを軽減する効果が期待できます。
金とプラチナを組み合わせた積立投資を取り入れることで、より安定した資産運用が期待できるでしょう。
純金積立なら三菱マテリアルのマイ・ゴールドパートナー

これから純金積立を始めようと考えている方は、大切な資産を安心して預けるためにも信頼できる運営会社を選ぶことが大切です。
しかし「どこの運営会社を選べば良いのか分からない」、「さまざまな候補がありすぎて選ぶことができない」とお悩みの方には、三菱マテリアルのマイ・ゴールドパートナーをおすすめします。
三菱マテリアルは明治29年(1896年)から100年以上にわたって金の製錬に取り組んできた歴史があり、国際基準の高い品質を保証しています。
マイ・ゴールドパートナーでは金だけではなくプラチナや銀の積立もでき、月々3,000円から無理のない範囲で積立購入ができるほか、年2回まで任意の月を指定して、月額積立購入金額に加算できるボーナス月プラス積立購入や各種スポット購入にも対応しているため、ご予算に応じて無理なく購入できます。
年会費は800円、積立購入手数料は1,000円につき26円(消費税込)または31円(消費税込)、ボーナス月プラス積立購入や各種スポット購入の場合には手数料がかかりません。
保管料は消費寄託預かりでは無料、混蔵寄託預かりでは有料です。口座管理料はかかりません。
積み立てた金は金地金で現物を受け取ったり、金貨で返還を受けたり、市場売却受託サービスを利用して金銭で返還を受けることができます。
現物引出手数料は金地金1本あたり4,000円~7,500円(サイズによって異なります。500g以上の金地金は無料)。配送手数料は2,000円(保険料込)です。
オンライントレード(インターネット取引サービス)を利用すればお手軽に取引ができるため、買い時や売り時を逃すことも少ないでしょう。当社店頭価格より優遇※されたWeb価格が適用されます。
※Web価格は当社店頭価格に比べ、金・プラチナで10円/g、銀で0.15円/gの優遇となっております。適用対象はオンライントレード取引での当日スポット購入、等価メタル変更サービス、市場売却受託サービスです。
詳細比較は以下ホームページ「マーケット情報・最新の価格」をご覧ください。
また「会員継続ボーナス」というユニークな特典があり、会員が会員契約期間開始日から会員契約期間満了日までマイ・ゴールドパートナーを継続してご利用いただいたことに対する特典として、会員契約期間満了日にお客様の消費寄託残高に加算します。
なお、金・プラチナ・銀の消費寄託、混蔵寄託の購入取引が対象です(混蔵寄託は金のみの取扱いとなります)。詳細は以下ホームページをご参照ください。
まとめ
金とプラチナは同じ貴金属でありながら、それぞれ異なる特徴を持っています。価格変動要因も異なるため、その特徴をよく理解した上で投資商品を選定するようにしましょう。
なお、よりリスクを軽減したい方には純金積立やプラチナ積立が有効です。貴金属への投資を検討している方は、まず積立から始めてみるのはいかがでしょうか。
※本記事は投稿時の情報です