純金積立を始める前に知っておきたい手数料と税金について

資産運用と聞くと、まとまったお金が必要で、価格変動リスクが大きく危険というイメージを抱く方も多いのではないでしょうか。

このような不安を抱える方におすすめしたいのが純金積立です。

純金積立を始める前に把握しておきたい基礎知識と手数料や税金を中心に解説します。

純金積立とは？

純金積立とは、あらかじめ設定した月々の積立購入金額で金を購入する方法です。金の量を指定して購入するのではなく、一定の金額を設定して購入することから、価格が安い日には多く、高い日には少なく購入するため、価格変動リスクを抑えることができます。

このような投資手法はドルコスト平均法とよばれ、長期間にわたって投資を続けることで商品の購入単価が平準化されるため、投資初心者およびプロの投資家を問わずポピュラーな投資手法と言われています。

また、純金積立では金の現物を購入者が手元で保管するわけではなく、サービスを提供している運営会社で保管・管理を行います。

金の保管・管理には大きく分けて「消費寄託」と「混蔵寄託」の2種類があり、以下の違いがあります。

1. 消費寄託：預けた金は運営会社が運用（イメージは銀行の普通預金）、会員は運営会社に預けた金の返還請求権を持つ
2. 混蔵寄託：預けた金は運営会社が専用の金庫にて厳重に保管（イメージは銀行の貸金庫）

積み立てた金は、金地金で現物を受け取ったり、金銭で返還を受けたり、運営会社によっては金貨で返還を受けることができます。

純金積立のメリット

金投資には現物の購入や金ETF、金投資信託などさまざまな方法がありますが、その中で純金積立はどのようなメリットがあるのでしょうか。

まとまった資金がなくても始められる

金に限らず、資産運用でリターンを得るためには資金が必要です。

近年では数百円、数千円といった少額から始められる投資商品も増えていますが、運用する資産の種類によっては、運用を始めるのに数十万円から数百万円、場合によっては数千万円といったまとまった資金が必要になることもあります。

しかし、純金積立は毎月数千円や数万円からでも始められ、手元にまとまった資金がなくても無理のない範囲で投資ができます。

金相場の価格変動リスクを軽減できる

純金積立はあらかじめ積立購入金額を設定し、毎月一定の金額で金を購入していくため、金の価格変動に応じて購入量も変わります。

冒頭でも紹介したとおり、金の価格が高い時には購入量が少なく、反対に価格が安い時には多くの金を購入できます。

価格の下落によって目減りが生じていたとしても、積み立てを継続することで金を「安く」、「多く」購入することができ、長期的に見れば購入単価が平準化され安定的な運用が期待できます。

現物の保管・管理が不要

金の投資には金地金や金貨などの現物を購入する方法もあります。

しかし、この場合は現物の盗難や紛失を防ぐため、適切な方法での保管・管理が必要となります。

一方、純金積立は運営会社が保管・管理を行ってくれるため、盗難や紛失のリスクを大幅に軽減できます。

純金積立にかかる年会費や手数料

純金積立は毎月の積立購入金額のほかにも、年会費などの手数料がかかります。運営会社によっても年会費や手数料の種類、金額、条件は異なりますので、代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

年会費

年会費とは、純金積立サービスを利用するための基本料のようなもので、1年ごとに1,000円程度の費用がかかる運営会社が多いようです。

積立購入手数料

積立購入時にかかる手数料の金額や割合は、毎月の積立購入金額や運営会社によっても変わります。一般的には数%程度となっており、毎月の積立購入金額とは別に必要となります。

保管料

購入した金地金を安全に保管しておくためにかかる費用です。

預かった現物資産を運営会社が運用する消費寄託では無料の場合が多いですが、混蔵寄託では専用金庫で保管しなければならないため有料となります。保管料は金の重量や小売価格によっても変動します。

現物引出手数料・送料

金銭で返還を受けるのではなく、金地金で引出す場合には手数料や送料、金貨で返還を受ける場合には送料がかかります。

金地金のサイズによって引出手数料は異なりますが、金地金1本あたり4,000円～15,000円程度、送料は1件あたり1,500円～2,000円程度が必要になります。なお、500g以上の金地金の引出手数料は無料になる運営会社もあります。

（三菱マテリアルのマイ・ゴールドパートナーの引出手数料は金地金1本あたり4,000円～7,500円。送料は1,500円（保険料込））

口座管理費

純金積立を行うためには、運営会社や証券会社へ専用口座を開設する必要がありますが、口座の維持や情報管理を行うためにかかる費用が口座管理費です。

積立購入を継続している間は口座管理費がかかることはほとんどありませんが、積立購入を休止している期間は1年ごとに1,000円〜1,500円程度の口座管理費がかかる場合があります。

（三菱マテリアルのマイ・ゴールドパートナーでは口座管理費はかかりません）

純金積立で発生する税金

資産運用を始めるにあたり、不安になりがちなのは税金のルールです。

給与所得者などが保有していた金や金貨を、売却または市場売却受託サービスを利用して金銭で返還を受け、利益が出た場合には「譲渡益」となり、他に該当する譲渡益と合わせ、年間50万円の特別控除枠があります。

特別控除枠を超えた分は譲渡所得となり、他の所得と合算して総合課税の対象となります。ただし、保有期間によって課税対象となる譲渡所得の算出方法は異なります。

• 短期譲渡所得（保有期間が5年以内）
  譲渡価額 －（取得費＋譲渡費用）－ 特別控除
  例）3年前に100万円で購入した金を200万円で売却または市場売却受託サービスを利用　（＝譲渡価額）
  200万円－（100万円＋0万円）－50万円＝50万円

• 長期譲渡所得（保有期間が５年超）
  ｛譲渡価額－（取得費＋譲渡費用）－特別控除｝×1／2
  例）10年前に100万円で購入した金を200万円で売却または市場売却受託サービスを利用　（＝譲渡価額）
  ｛200万円－（100万円＋0万円）－50万円｝×1／2＝25万円

いずれも手数料がかからない重量の金を取引した場合です。

なお、ドルコスト平均法で純金積立を行っている場合、取得費は総平均法に準ずる方法により算出されます。

純金積立によって損失が出た場合には、他の譲渡所得（ゴルフ会員権や絵画等の売却による所得等）の範囲内で損益通算も可能です。

まとめ

純金積立はまとまった資金がなくても始められるほか、金相場の価格変動リスクも軽減できるなどのメリットが魅力の投資方法です。

一方で、年会費や積立購入手数料などさまざまな手数料がかかることから、純金積立によって資産を増やしていくためには、手数料の内容や条件などをしっかりと把握していくことが大切です。

更に、単に手数料が安い運営会社を選ぶだけでなく、信頼性が高く資産を安心して預けられるところを見極めることも重要です。

これから純金積立を始めようとお考えの方は、ぜひ三菱マテリアルのマイ・ゴールドパートナーをご検討ください。

※本記事は投稿時の情報です