豊島逸夫の手帖

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金の第一人者として知られる国際金融アナリスト豊島逸夫氏のブログを掲載します。
なお、本ブログの内容は豊島逸夫氏ご本人の個人的見解であることをご了解の上、閲覧ください。

豊島逸夫氏のプロフィール

豊島逸夫氏近影
豊島逸夫事務所代表。
1948年、東京都生まれ。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現三菱UFJ銀行)を経て、スイス銀行で外国為替貴金属ディーラーとして活躍。2011年9月までワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の日本代表を務める。独立後はチューリッヒやニューヨークでの豊富な相場体験と人脈をもとに、自由な立場から金市場や国際金融、マクロ経済動向について情報発信を行うとともに、“金の国内第一人者”として金投資の普及に尽力。投資の初心者にも分かりやすいトークや文章にファンも多い。得意分野はスキー系、鮨スイーツ系、温泉系。

最新記事

相場の潮目が変わった

2025年5月15日 当面3200ドルは死守できるかと思って見守っていたが叶わず。あっさり3100ドル台突入。NY筋は「上げ、上げの日々から潮目が変わった」。 昨日、特に新規売り材料が出たわけでもない。敢えて言えば、ジェファーソンFRB副議長が「インフレが鈍化するまで金利据え置きを」と発言。金市場期待の利下げの可能性を明確に否定したことか。 相場の流れは短期モメンタムトレーダーたちが売り材料に反応...
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米スタグフレーションリスク、和らぐ

2025年5月14日 米中関税合戦歩み寄りの報で、米大手金融機関が相次いで米経済不況(スタグネーション)予想を下方修正している。 JPモルガンチェースは25年後半に景気後退予測を「不況なし」に変えた。但し、インフレーションが悪化する可能性は高いとしている。 次に、ゴールドマンサックスは今後1年間の米国景気後退確率を45%から35%に引き下げた。「米中歩み寄りは将来の関税政策決定に関する心強いシグナ...
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米中歩み寄り、金急落も3200ドルは死守

2025年5月13日 緑線がいきなりストンと落ちているところが米中共同声明発表時点。その後、結局3200ドル台スレスレのところでの動きが繰り返された。下げたとは言え、3200ドル台という歴史的高値圏だ。 では、今後3500ドル奪回の可能性は?3500ドルを2回跳ね返され、ダブルトップ(二番天井)を付けたので、また大台挑戦にはかなりのエネルギーが必要。イベントとして今後90日間の期間で米中通商協議決...
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週明け、国際金価格、3300ドル割れ、急落中

2025年5月12日週末に米中通商協議第1回とウクライナ「平和」のためと称する提案が出てきた。筆者はどれも極めて懐疑的に見ているが、金市場の投機筋は「売りの口実」として利用している。理論的に説明できない相場に接すると、トレーダー心理としてはチャートに注目しがちだ。既に前回、金国際相場が3500ドルの大台に2回突き放され、ダブルトップ(二番天井)を形成したことを指摘した。更に200日移動平均線は28...
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NY金、危ういダブルトップ形成

2025年5月9日 本欄5月7日付けにこう書いた。 連休前には一時3200ドル攻防の局面もあったが、その後切り返し、連休中に3400ドル台回復。中期価格グラフの形は調整一巡で良くなった。この後3500ドルを突破して続騰すれば異次元の金価格に。逆に3500ドルで再び売られれば典型的ダブルトップで相場のアタマ形成となる。どちらに転ぶか、米中次第。明日8日にスイスでベッセント財務長官とグリア通商代表が中...
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FOMC後、国際金価格、高止まり

2025年5月8日 金上昇の形が良くなってきた。3300~3500ドルのレンジで買っては売られ、買っては売られで揉まれて調整している。このレンジが固まってゆけば、いずれ3500ドル以上も狙える。 FOMCというビッグイベントも通過。今のFRBは関税によるインフレと、関税による景気後退というふたつのシナリオを突き付けられ、パウエル議長も「判断が難しい」と語らざるを得ない。現実的には景気後退とインフレ...
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連休中、金、再急騰

2025年5月7日 連休前には一時3200ドル攻防の局面もあったが、その後切り返し、連休中に3400ドル台回復。中期価格グラフの形は調整一巡で良くなった。この後3500ドルを突破して続騰すれば異次元の金価格に。逆に3500ドルで再び売られれば典型的ダブルトップで相場のアタマ形成となる。どちらに転ぶか、米中次第。明日8日にスイスでベッセント財務長官とグリア通商代表が中国側と会談する。ひとつの目安にな...
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雇用統計を控え一服

2025年5月2日雇用統計前の金市場は下げも一服。今回の急落で投機筋の中では大損した人たちもいる。金4000ドルなどという説に煽られ、3500ドルから一気に4000ドルに続騰すると信じたからだ。例えば3400ドルで買って、結局3250ドルで損切りしたというプロもNY市場では見られた。米国債の乱に始まったトリプル安(米国債安・ドル安・NY株安)がようやく収まる兆しが見え始めたタイミングで、安全資産と...
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国際金価格下落に歯止めかからず

2025年5月1日 スポットの国際金価格が3240ドル近傍まで下がってきた。WGC金需給(1~3月)発表直後にも急落。市場が知りたいのは4月以降3000ドル台での需給だ。 更に米GDPマイナス成長という金にとっては買い材料が出たにもかかわらず金は続落。もはや潮目が変わったとしか言いようがない。 今日もアジア時間帯で急落。上海勢が見切り売りに走っている。彼らの売買に理由は要らない。上がると思えば買い...
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歴史的高値圏での需要動向を吟味する

2025年4月30日 ワールドゴールドカウンシルの2025年1-3月期の需給データが発表された。今回は金暴騰の裏で実需動向がどのように反応したかについて、筆者は強い興味を持って数字を吟味した。 まず、今年1~3月の平均価格が2859ドルという歴史的高値圏で、ETF需要が前期18トンに比し226トンに急増した。これが強い買い圧力となった。但しETFは昨年から四半期ごとにマイナス113トン、マイナス7...
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