豊島逸夫の手帖

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金の第一人者として知られる国際金融アナリスト豊島逸夫氏のブログを掲載します。
なお、本ブログの内容は豊島逸夫氏ご本人の個人的見解であることをご了解の上、閲覧ください。

豊島逸夫氏のプロフィール

豊島逸夫氏近影
豊島逸夫事務所代表。
1948年、東京都生まれ。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現三菱UFJ銀行)を経て、スイス銀行で外国為替貴金属ディーラーとして活躍。2011年9月までワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の日本代表を務める。独立後はチューリッヒやニューヨークでの豊富な相場体験と人脈をもとに、自由な立場から金市場や国際金融、マクロ経済動向について情報発信を行うとともに、“金の国内第一人者”として金投資の普及に尽力。投資の初心者にも分かりやすいトークや文章にファンも多い。得意分野はスキー系、鮨スイーツ系、温泉系。

最新記事

来年の下げ材料を探すとすれば

2025年12月15日 ほぼ全員が来年の金予測は強気。そこで、へそ曲がりの筆者は(笑)、敢えて下げ要因を求める。そだね、まぁドル高かな。 米景気が存外に良ければ、良いドル金利上昇で金には売り圧力。米インフレが粘着質であれば、中間選挙を意識してトランプ大統領も利下げばかりを強いてはおれまい。ジワリ、金上昇にブレーキをかける程度の話だが。...
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雇用者数、実質減、金急騰

2025年12月12日 労働市場悪化を受け、NY金4300ドル乗せ、昨晩はNY金がNY銀を主導した。上げの理由が米労働市場悪化というマクロ経済要因であったからだ。 まず、FOMCでパウエル議長は雇用統計の新規雇用者数が過大に発表されていることを記者会見において実数で示した。記者会見発言の書き起こしによれば、FRBの事務方は月次の雇用者数を6万人多く計上していたと語っている。実数では毎月2万人「減っ...
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FOMC後、金、銀、続騰

2025年12月11日 今回のFOMCでは、パウエル議長が利下げは決行するが、慎重な言い回しで労働市場とインフレの相対する二つのリスクに言及すると思われていた。「そう簡単に利下げはしないよ」とのトランプ大統領への意地も見え隠れした。 ところが、蓋を開けてみれば事前想定よりあっさり利下げ決定を語った。利下げ反対者も3名。FOMC内部亀裂が露わである。結局決め手となったのが、FOMCの実質的No.2で...
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FOMC初日、銀とプラチナが急騰

2025年12月10日 フライング気味の値動きである。今回のFOMCでも利下げが見込まれる中、いち早く利下げに反応するかのように銀が60ドルの大台を突破。プラチナも1700ドル台。 需給面で品薄感が続く中、利下げは産業需要にプラス効果があるというのが買い方(=投機筋)の見方。投機筋としたのは、市場規模が金に比し小さいため値動きが軽いからだ。 金も4200ドル台まで上がったが、急騰と言えるほど派手で...
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災害と金

2025年12月9日 大地震と言えば、思い出すのが阪神・淡路と東日本の大震災。 まず、阪神・淡路大震災の時のエピソード。焼野原と化した神戸付近を、とある年配の女性が必死に探し回っている様子がたまたまテレビに映った。ほどなくして探し物があったようで、黒焦げの壺らしきものを抱え、中を必死に探っている。「アッタ!」の声。女性の手には焦げているが輝く金貨。大震災にも耐え抜いたゴールド。まさに有事の金。 そ...
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金価格、著変なし

2025年12月8日 金価格は短期的にボラが高いが、基本的に4200ドル前後の水準で推移している。歴史的には超高値圏ゆえ、さすがに4200ドル突破後も更に続騰して4500ドルを目指すというようなモメンタムは見られない。筆者も4200ドル前後を当面維持できれば御の字と考えている。 今週は何と言っても今年最後のFOMCが控えている。0.25%利下げが決定されることは織り込み済みだ。市場は新たなFRB議...
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日本国債売り、金買いトレードがウォール街で注目

2025年12月4日エヌビディア株見切り売り、金銀買い付けのトレードについて本欄に書いたり、X@jefftoshimaに書き込んだりしていたが、今朝の日経新聞朝刊のグローバルマーケット面で記事になった。ヘッジファンドに人気のトレードはこれだけではない。今や日本国債(JGB)売り、金買いの組み合わせが増えているのだ。 今日もJGB市場では、指標となる新発10年物国債の利回り(円の長期金利)が1.9%...
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高市積極財政、NY金銀を動かす

2025年12月2日 「金は世界経済を映す鏡」と言われるが、高市首相自身が「しょぼい」と言う積極財政が財政不安と化し、円長期金利(新発10年物国債利回り)がポンと上がり、1.880%を記録。この影響がNY債券市場にも及び、ドル金利も上昇(日本は世界最大の米国債保有国ゆえ、債券市場での影響は国際的に強い)。 これは悪い金利上昇ゆえ、金価格には上げ材料となった次第。結果的に高市積極財政を巡る不安感がN...
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円建て金価格、久しぶりに最高値更新

2025年12月1日 NY市場感謝祭休日明けに金価格がロコロンドンで4230ドル台。為替は155円台で、円建て金小売価格が23455円と過去最高値を更新した(業者により小売価格はばらつく)。 理由は米12月利下げ確率が40%台から85%前後まで急上昇したこと。金利を生まない金には追い風となる。 利下げ志向の背景としては、ハセット国家経済会議委員長が次期FRB議長候補として浮上したが、この人物はトラ...
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NY市場は感謝祭休暇で閑散

2025年11月28日 今週は米国人が実家に戻り、家族と一緒に七面鳥を食べて感謝祭を祝う週。市場参加者も少ない。株も金も気配値程度に見ておいた方が良い。 筆者も今週は深夜のNY市場に付き合うことなく、人間らしい生活をしているところだ(笑)。 話題と言えば、先週来、米ジェフリーズが公表して、ロイターが記事で流したところの「金の買い手として、ステーブルコイン大手が台頭」したこと。本日の日経新聞でもグロ...
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