豊島逸夫の手帖

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金の第一人者として知られる国際金融アナリスト豊島逸夫氏のブログを掲載します。
なお、本ブログの内容は豊島逸夫氏ご本人の個人的見解であることをご了解の上、閲覧ください。

豊島逸夫氏のプロフィール

豊島逸夫氏近影
豊島逸夫事務所代表。
1948年、東京都生まれ。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現三菱UFJ銀行)を経て、スイス銀行で外国為替貴金属ディーラーとして活躍。2011年9月までワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の日本代表を務める。独立後はチューリッヒやニューヨークでの豊富な相場体験と人脈をもとに、自由な立場から金市場や国際金融、マクロ経済動向について情報発信を行うとともに、“金の国内第一人者”として金投資の普及に尽力。投資の初心者にも分かりやすいトークや文章にファンも多い。得意分野はスキー系、鮨スイーツ系、温泉系。

最新記事

週明け、いきなり3400ドル突破

2025年6月3日 昨日午後、久しぶりにブログを書いた時はNY金3320ドル台。上の図の緑線(スポット)では3300ドルそこそこであった。それが今朝はNY金8月もので3400ドル突破。 これはさすがに解説せねばなるまい。いくつかの複合要因が共振して金価格を引き上げた。 1.トランプ氏が中国の関税関連対応が遅いと非難したことから米中関税協議とん挫の可能性。但し、ベッセント財務長官は日曜日の米CBSニ...
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サッポロ・サテライト・オフィス、インフラ強化

2025年6月2日 今年もサッポロ・サテライト・オフィスの時期になり、これまでホテルを事務所として使っていたが、今年からマンションを借りることにして、先週は3年賃貸契約・引っ越し準備などに追われた。6~9月の4か月をほぼ札幌で過ごしているが、ホテル住まいはやはり手狭で何かと制約も多い。仕事で短期帰京する時も、ホテルだとその度に予約だ、チェックインだと面倒だ。家族たちは東京に留まり、私の夏季単身赴任...
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日米、同時に国債入札不調の衝撃

2025年5月22日 今週の衝撃的出来事とされるのが、日本の財務省が20日に実施した20年物国債入札の結果。好不調を判断する指標で、不調の度合いが(つまり買い手が少ない)なんと38年ぶりの大きさとなった。 更に昨晩はNY市場でも米国の20年国債の入札がこれまた大不調。 日米ともに投資家が国の借金返済の見込みが立たずと判断したわけだ。国債を買うという投資行動は、買い手が国に対して債権者の立場になる。...
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米国債格下げによる金急騰第二波

2025年5月21日 昨晩NY市場の午前中にいきなりNY金が跳ねた。銀もプラチナもパラジウムも一斉に追随した。4つの貴金属、そろい踏みである。 特に理由はない。要はメガ級の要因に対する金市場の反応が、第一波だけでは不十分と考えられたのであろう。 そして珍しく銀もプラチナもパラジウムも後追いした。だいぶ格下げ相場らしい形になってきたね。 それから昨晩はECB(欧州中央銀行)が、これは異例のことだが金...
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日本国債は大丈夫か

2025年5月20日 昨晩のNY市場では、外電で石破首相の「日本の財政状況はギリシャより悪い」との発言が伝わり話題となった。日本国債の主たる所有者は日本人で、外国からの借金依存体質ではないとされるが、永田町で財源の見えないバラマキ政策が議論されている状況では、海外投資家の視点では(円高による為替差益を考慮しても)日本国債にもうっかり手を出せない。 では、あのお堅い国のドイツ国債はどうか。この国も伝...
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メガ級の金上昇要因、登場

2025年5月19日 来たか!と言う感じ。ムーディーズの米国債格下げ発表。 伏線はあった。先週、米10年債利回りが4.5%と「米国債の乱」以来の水準に急騰。NY市場では謎の金利急騰と話題になった。今にして思えば「ムーディーズの情報がリークされていたのか」などの憶測さえ市場を駆け巡る。本稿執筆時点(19日月曜朝)、時間外のNY市場(GLOBEX)で既に60ドル高、3240ドル台まで急騰中。本番のNY...
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一日100ドル幅の荒い調整局面

2025年5月16日 添付グラフの赤線(一昨日)は3240ドルから3150ドルまで急落。緑線(昨日)は3120ドルから3240ドルまで急反発。日中の値動きがアジア時間帯も含めて100ドル以上に達するという異常な状況だ。当然、48時間で世界の金現物需給が激変するわけではなく、ひたすら投機筋のなせる業だ。現物の裏付けがない「金」の売買が国際金価格を主導する。危うい地合いである。 まだまだ3000ドル以...
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相場の潮目が変わった

2025年5月15日 当面3200ドルは死守できるかと思って見守っていたが叶わず。あっさり3100ドル台突入。NY筋は「上げ、上げの日々から潮目が変わった」。 昨日、特に新規売り材料が出たわけでもない。敢えて言えば、ジェファーソンFRB副議長が「インフレが鈍化するまで金利据え置きを」と発言。金市場期待の利下げの可能性を明確に否定したことか。 相場の流れは短期モメンタムトレーダーたちが売り材料に反応...
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米スタグフレーションリスク、和らぐ

2025年5月14日 米中関税合戦歩み寄りの報で、米大手金融機関が相次いで米経済不況(スタグネーション)予想を下方修正している。 JPモルガンチェースは25年後半に景気後退予測を「不況なし」に変えた。但し、インフレーションが悪化する可能性は高いとしている。 次に、ゴールドマンサックスは今後1年間の米国景気後退確率を45%から35%に引き下げた。「米中歩み寄りは将来の関税政策決定に関する心強いシグナ...
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米中歩み寄り、金急落も3200ドルは死守

2025年5月13日 緑線がいきなりストンと落ちているところが米中共同声明発表時点。その後、結局3200ドル台スレスレのところでの動きが繰り返された。下げたとは言え、3200ドル台という歴史的高値圏だ。 では、今後3500ドル奪回の可能性は?3500ドルを2回跳ね返され、ダブルトップ(二番天井)を付けたので、また大台挑戦にはかなりのエネルギーが必要。イベントとして今後90日間の期間で米中通商協議決...
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