金の発見

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金が発見されたのは、じつに古く、今から7000年前とも8000年前とも言われています。当時はもちろん金鉱石から金を取り出す(精製する)技術などあろうはずもなく、砂金として、あるいは砂金が発見された川の上流にある山などから、露頭の自然金(ナゲット)の形で発見されたものと思われます。

金が精製あるいは加工されたカタチで歴史に登場するのは、古代エジプト王朝時代(BC4000~BC332年)です。古代エジプト王朝時代のファラオ(王)たちは、太陽を主神とし、太陽のシンボルとして金を崇拝していましたから、金の採掘、精製、加工に情熱を燃やしたであろうことは想像に難くありません。

そしてやがて金は、「富と権力の象徴」としての意味も合わせ持つようになったのではないかと思われます。ファラオたちは、死に際しても金を手放すことはありませんでした。死後の世界を信じた彼らは、金が何ものにも侵されない性質をもつことから、みずからの不変不滅を祈って黄金のマスクをつけ、黄金の棺に入り、黄金の装身具に囲まれて永遠の旅に出たのです。