日本最初の金貨

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我が国で最初に金貨がつくられたのは、8世紀中頃と言われています。聖武天皇崩御の後、藤原仲麻呂が恵美押勝(えみのおしかつ)の名を賜わると同時に、鋳銭の特権を得て政治の実権を握りました。

この恵美押勝の命でつくられたのが、金銭の「開基勝宝」、銀銭の「太平元宝」、銅銭の「万年通宝」です。交換比率も定められた模様で、金銭1枚に対して銀銭10枚、銀銭1枚に対して銅銭10枚とされたようです。ただし8世紀当時のことゆえ、一般に金銭(開基勝宝)が必要とされるほど市場経済が発達していたとはもちろん考えられず、金銭の製造枚数については極めて少なかったようです。おそらくは富と権力のシンボルとしての役割を果たしていたに違いなく、おもに貴族間の贈答用に使われていたのであろうと考えられています。

ところで、この交換比率が何を根拠に定められたものか判然としませんが、18世紀の英国でニュートンが定めた金銀比価が1対15.21であったことを思うと、恵美押勝という人物はなかなか慧眼の持ち主であったと言えるのかも知れません。