試金石

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金の品位すなわち純度を判定するための石のことです。玄武岩などの黒色で緻密な石英質の石を切って砥石のようにしたもので、ルーツは古代エジプトまでさかのぼることができます。

この黒色の石に、品位を調べたいサンプル金と、判定基準となる手札金(手本金)をこすりつけて光沢や色調を比較。さらにその条痕に濃硝酸をかけて変色の様子を比較して、サンプル金の品位を判定します。非科学的な判定法のように思えますが、サンプル金の品位が18金程度であるのか16金程度であるのか、あるいは14金程度であるのかといった判定が可能で、現在も装飾品の品位鑑定などに使用されているようです。

ところでこの「金の品位を試す」という役割は、おそらく「真贋を試す」という役割も担ったことから、試金石という言葉は転じて「人や物の真価を試す材料や方法」を意味するようになったと思われます。蛇足ながら試金石は英語で"Touch Stone"と言います。"Touch"には「触れる」という意味がありますが、「触診する」とか「試金石で試す」という意味もあるのです。なるほど物事の真価は、実際に手で触れることではじめて判別できるものなのかも知れません。