国際的に注目を浴びる加工技術分野に、ナノテクノロジー(10億分の1メートル級という超微細な加工技術)があります。ナノテクノロジーは21世紀に入って、基礎研究の段階から応用研究・利用の段階へ移行しつつあり、応用分野もバイオ、情報、環境など多岐に亘っています。
そうした応用利用の分野で将来が嘱望されているひとつに、金があります。金は通常空気に触れても酸化しないことで知られていますが、原子数が数十個というナノの状態でもやはり酸化することもなく、常温でも物質として安定していることから、ナノテクの情報分野での利用が有望視されています。
さらに金はナノ粒子の状態で特異な化学的作用をも発現することも発見されており、常温で触媒として活用される可能性が高いとか。金はナノテクの世界で大きな活躍が期待されているとともに、環境にやさしい省エネルギー素材としても注目されています。