ファラオと金

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古代エジプトのファラオ(王)たちは、太陽を主神とし、太陽のシンボルとして金を崇めていました。彼らにとって金の輝きは、おそらく太陽の光そのものだったに違いありません。ファラオたちは、みずからの死に際して金銀財宝を王墓のなかに持ち込みました。さらに、みずからを太陽神に重ね合わせるかのように、黄金のマスクをつけ、黄金の棺に入り、黄金の装身具に包まれて永遠の旅に出ました。

しかしそれは、彼らが死後の世界を信じていたからだけではなく、金がなにものにも侵されず永遠に輝き続ける不滅の物質であることを認識していたことの証しでもあります。ちなみにもっとも有名なファラオであるツタンカーメンの棺は、なんと1トンもあると言われています。