世界で初めて金貨が作られたのは、紀元前7世紀~6世紀頃と言われています。当時の小アジア(現在のトルコ西部)に存在していたリディア王国で発行された金貨が最初であると言われています。しかし一方で異説もあり、それによれば世界最古の金貨は紀元前11世紀までさかのぼると言います。紀元前11世紀当時の中国で公式に金貨が発行された形跡があるらしいのです。どちらの説が正しいのか判然としませんが、いずれにしても気の遠くなるほど昔であることに違いはありません。
ところで写真が、リディア金貨です。リディア王の紋章であるライオンの頭部が打刻されています。通貨史での正式名称はエレクトロン貨。リディア金貨と言わずエレクトロン貨と言うのは、古代ギリシャ人がエレクトロン貨と呼んで珍重したことに由来するようです。金貨の素材に使われている天然の金銀合金の輝きや色合いが、エレクトロンすなわち琥珀に似ていたためだと言います。
ちなみに金の品位は30%から50%程度。重量単位は、スタテル(古代ギリシャの単位で1スタテルは14g~17gに相当)。1スタテルから1/96スタテルまで8種類があったようです。