ナゲット

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ナゲットとは、辞書どおりの意味としては、「塊り」あるいは「金塊」を指す言葉です。ところで金は、金鉱石あるいは銅鉱石に多く含まれています。多く含まれているとは言っても、高品位といわれる金鉱石1トンから数グラム程度しか採れないのが普通なのですが、ごく稀にほぼ純金に近い純度を持った「金の塊り」が発見されることがあります。この「天然の金の塊り」のことを、ナゲットと呼んだようです。

その昔、天然のナゲットは、1800年代にオーストラリアで数々発見されました。記録に残っているなかで最大のものは、純度90%以上、重量はおよそ71kg。それがどれほど感動的な発見だったか、「ザ・ウェルカム・ストレンジャー」なる名前を冠せられ、1989年までオーストラリア政府発行の金貨の裏面デザイン(※)にも使われていました。そういえば「チキン・ナゲット」なる食べ物がありますが、この天然のナゲットは、ちょうどそんな形をイメージしていただければ良いでしょう。蛇足ですが、ナゲットは「貴重なもの」を意味することもあります。

     
  • オーストラリア政府発行の金貨の裏面デザインは、1990年から「カンガルー」に変わっています。