2004年10月14日
海外金価格は410ドル台で毎日5~10ドル近く変動している。米国の新規雇用統計が予想を大幅に下回り10万人を割り込んだことで、グリーンスパンの利上げ11月打ち止め説も出て、420ドルへ急騰かと思えば、中国経済減速観測により410ドル台へ逆戻りといった按配である。銅などの非鉄全般が急落している余波もあろう。このレベルで落ち着かないのは、未だ値固めが終わっていない証拠で、いましばらく揉み合いが必要のようだ。仮にこのまま一挙に430ドル台に突入しても持続性はないだろう。ここでじっくり時間をかけて値固めを経たほうが後々しっかりした展開を期待できる。
国内は税込み小売価格ベースで1600円を挟む動きだ。足元では、ドル円が109円台の円高に振れているので、海外金安と円高のダブルで安くなった。こういうタイミングは最近では珍しいという意味で希少性はある。
当面の注目ポイントをまとめておく。
◎米経済減速懸念のなかでFRBのなかでも利上げ見送りムードも出てきているが、最終的にグリーンスパンがどのような決断をするか。
◎さらなる原油急騰がインフレ懸念を刺激するか。
◎次々露呈されるイラク戦争大義名分欠如の報道のなかで、米国世論の嫌戦ムードがどの程度高まるか。イラクへの関わりの度合いは地政学的要因として重要である。
◎イラクにも関連するが、米大統領選挙戦の過程でブッシュに決定的な失言が出るか。
◎大型ヘッジ買戻し案件や鉱山会社統合の動きが突発的に発表されるか。
◎中国が個人投資家の金投資全面解禁に踏み切るか。
材料は色々ある。市場は買いの口実を模索している。