豊島逸夫の手帖

Page22 440ドルを窺う気配

2004年11月16日

欧米金市場は430ドル台で売り買い交錯状態である。本稿執筆時点(11月15日月曜朝)では438ドルを示現している。トレンドとしては420ドルを固めた後、430ドル台にレベルアップしたカタチで、しっかりした上昇基調の典型である。 材料的には、ブッシュ再選を待っていたかのように噴出したドル安、ユーロ高の流れ。その背景となっている双子の赤字。それに、アラファト死去による地政学的リスク増大が加わっている。

一方、高値抑制要因としては、先週予想通り発表された0.25%の米国利上げがある。しかし、2%という金利水準は絶対的レベルとしては依然低金利であり、超低金利水準の修正の域を出ない。高金利時代の到来という認識は薄い。 米国経常赤字も直近は持ち直したものの、まだ、市場は懐疑的である。

従って、利上げ、経常赤字縮小の報が一時的ドル高、金安局面を招いても、流れを変えるには至っていない。このような状況下では、金市場内では、16年ぶりの高値にも関わらず、先高感が強い。 ニューヨーク金市場では先物買い残高が膨張し、インドなど実需国では高値警戒感による模様眺め気分が強いものの、売買の回転は速く、いずれは実需筋も新高値水準を受け入れねばならぬ情勢だ。

特に、原油が一相場終わった様相で、ヘッジファンド等の流動性が貴金属に回帰していることが短期的には金市場を賑やかにしている。役者は揃った。 円建て金価格も、円高をこなしてじり高基調である。過去最高値1.30までつけたユーロ高に比し、円高はスピードがやや遅い。その分、国内金価格もじわじわ上がってきている。

ブッシュ再選により、金上昇トレンドが少なくともあと4年は続くとの買い安心感が拡がっているなかで、Four More Years!というブッシュ陣営の掛け声が金市場内にも余韻として強く残っているようだ。

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