2005年7月14日
メリルリンチのグラハム・バーチといえば、欧米の業界では、同社のゴールド・ファンドの育ての親として知られる。同氏の最新の予測によると、金価格は2010年までに725ドルになるという。
その根拠の主たる部分は、中国である。同氏の予測では、5年後に中国の金需要は年間600トンになるとのこと。(同様の見通しをGFMS社も昨年発表しているが。) 問題は、その需要の伸びを満たすための金供給が何処から来るのかということだ、と同氏は問う。
新産金量は昨年4.4%も下落した。 金市場は供給不足に陥るということを言いたいのだろう。 5年前に金価格700ドルなどと言ったら、まず、まともには相手にされなかったであろうが、長期価格トレンドが上昇を維持している現在では、充分に現実的なシナリオになった。
勿論、業界内には弱気説も存在する。
しかし、弱気といっても、せいぜい400ドルを割るとか割らないとかいった程度の類である。5年後に金価格が300ドルになるというような予測にはお目にかからない。
結論としては、下値リスクは限定的だが、上昇余地は充分あり、といったところだろうか。