2005年9月2日
前稿執筆は、カトリーナが去った直後の第一報の段階であったが、その後、市場内部でも、由々しき大災害であることから無視できない材料との見方が広まり、金価格もオーバーナイトで10ドル強の急反発を見せた。
やはり、焦点は米経済への影響である。原油価格高騰はもとより、米経済成長に水がさされ、利上げも早々と打ち止めになるのでは というような見方も台頭している。市場は4%までの利上げを折り込んでいるのだが、これが3.75%あたりで止まると市場にとってはサプライズになる。
カトリーナについて、BBCなどは、911同時多発テロ以来のブッシュ政権の危機と報じているほどだ。死者の数など、被災の実態はまだまだ明らかになっていない。市場も、一過性の材料と切り捨てることはできないだろう。
なお、430ドル台でもアジアの実需はかなり活発になってきた。
WGC極東地区の社内会議のため、本稿はマカオで書いているのだが、アジア地区の同僚たちも口を揃えて実需が高値に慣れつつあることを指摘している。 金価格はこれで430ドル台がほぼ固まり、秋に向け、新高値への一段上昇モードになりつつあるようだ。