2005年12月19日
東工取(東京の金先物市場)の異常なプレミアム(海外に対しての割高)も、解消に向かいつつあるようだ。背後には仕手戦も絡んだようだが、それは業界紙的な興味でしかない。一般個人投資家にはどうでもよいこと。
東工取の発表では鎮静化ということだが、高値に手を出して、そのまま取り残された先物買いの顧客も多く、彼らの潜在的売りが残っている。外電などは、その可能性を未だ報じているところだ。
相場のほうは500ドル近辺でクリスマス入り。今週は欧米がいよいよバケーションモード。もっぱらドル円の動きが国内金価格を左右しそうだ。
為替に関しては、"2006年の金価格展望"で述べたように、金利差要因から構造要因(双子の赤字)に市場のテーマがシフトしつつある。ただ、そのタイミングが予想より早い。
しかし、為替ぐらいプロの見通しが外れる市場も珍しいね。思い起こせば、昨年の今頃は円高予想オンパレードで、100円割れ当たり前という雰囲気だった。あまり皆が同一方向なので、天邪鬼の筆者は去年の今頃"2005年の金価格展望"で、逆の円安ドル高と書いたことを思い出す。
為替相場予想に使われる言葉も、今や、"方向感に欠ける"とか"不透明"といった言い回しばかり。プロが、"分からない"と認めたくないときに使う常套手段である。
国内金価格に関しては、円高が進行しているときは、買い易い。先物関係は円高を目先下げ要因として嫌うが、現物じっくり派にとって、円高は海外に比し割安で金が買える時期なのだ。
現物市場の店頭では、売りそびれた客の気迷いと、買い場探しの新規客の期待感が交錯している。
ボーナス商戦の報道のなかで金が取り上げられることも多くなったが、ゴールドでボーナス倍増作戦などという記事には要注意。そういうノリに心惹かれる向きには、まず金貨一枚とか、純金積立を月数千円からと薦める。クリスマスに奥さんに今年一年の感謝の印として金貨ペンダント贈ったら喜ぶよ。独身者なら、あぶく銭(競馬、パチンコで儲けたカネなど)は純金積立で貯めてゆくとかね。金貨は触るとひんやりする冷たいメタルだが、贈る側の暖かい愛情を伝えるものなのだよ。愛妻へのプレゼントが株券ではどうもナマナマしすぎていけない。(まぁ、そのほうがいいとおっしゃるご夫婦もおられるのだろうが...)