2005年11月2日
と見出しをつけたが、実際には、昨晩のFOMC(※)でFFレートが4%へ切り上がることは"想定内"で織り込み済みである。にもかかわらずNY金価格は7ドル急落して459ドルまで下げている。(11月2日午前7時現在)
ディーラーの気持ちとしては、できれば480ドル近くで利食いしたかった。しばらく待ったが、どうも当面480ドルを突破するに足る決定打が出ない。そうこうするうちに金利も4%の大台に乗ってきた。外為もドル高である。とりあえず、あまり高望みせず、460ドル台で一旦利益確定の売りを出して、いただけるものはいただいておこう。こんな感じである。
以上述べたことは、あくまで短期的売買益を狙う投機筋の動きである。長期的市場見通しにはいささかの変化もない。前々回も述べたように、浅い調整局面である。450ドル台ではアジア中近東の現物需要が待ってましたとばかりに活性化し、相場の下限を支える。この一連の過程で、投機目的の買い手はふるい落され、じっくり長期保有の買い手が残ることにより、市場内の環境はより堅固になる。
次の動きだが、ドル短期金利が4%になったことで注目されるのは、先月4.7%(エネルギー、食品含む年率ベース)まで跳ね上がった米国消費者物価上昇率が今月はどうなるか、ということだろう。FOMCが今回も0.25%の利上げに踏み切ったのは、ハリケーン被害などにもかかわらず米経済は依然上昇モードにあり、インフレ懸念の台頭を抑える必要ありと判断したのだから。
※ | 米連邦公開市場委員会のこと。FRB(米国連邦準備制度理事会)のもとで、短期金利政策や公開市場操作(通貨供給量の調整等)を担当している。FOMC会議は、年に8回、ほぼ6週間に1回の割合でワシントンにおいて開催され、その都度、短期金利政策に変更があるかないかを巡って各方面から強い関心が集まるイベントとなっている。 |