2005年11月29日
本稿執筆時点(11月29日朝9時30分)、金価格は500ドルをつけている。未だ、天井を打ったという感触はない。相場がピークアウトする瞬間というものは、なかなか実感できないものだが、筆者の経験した感覚だと、台風の目が通過するときに似ている。それまでの(買いの)嵐がピタッと止み、急に静寂が訪れたかと思うや、次の瞬間に(売りの)嵐が始まる。その感覚は今回未だ感じられない。どこかの電車のように停車しきれずプラットフォームをオーバーランして、やがてすごすごと戻ってくるだろう。
相場は短期的に警戒水域に入ってきた。筆者は長期的には500ドルという水準が新たな需給均衡水準になると思っているが、今のスピードは早過ぎる。買っているのは世界で日本だけ。それも先物主体。アジア中東は現物売戻でジャブジャブ。現地渡しの価格は、国際標準のロンドン渡しに比し、ディスカウントに転じている。さすがのインドも、480ドルレベルからはついてこれない。
休むも相場。あせることはない。一息いれましょう。
P.S.
今週号(12月6日号)の週刊エコノミストに寄稿しているので、冷静に読んでみてください。
フジテレビのニュースジャパン(夜11時台)でも、今週後半(マンション偽装関連報道次第だけれど)解説する予定です。