豊島逸夫の手帖

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タイガーウッズもサブプライムには勝てず

2007年8月29日

昨日のNYSE(NY証取)オープニングベルのフロアーにはタイガーウッズの姿が。キャスターの質問に答えて、"財テクやってますよ。まず不動産、株も広範囲に買ってます。"

しかし、その後のNY株の展開は200ドル超の大幅下げ。まだまだサブプライムの余震は続いている。死者(債券部門の解雇)も急増中。7月末の本欄で"今年の夏休みはあきらめた"と嘆くサブプライムCDO関連担当者の嘆きを伝えたが、今や夏休みどころではなくなってきたようだ。

昨晩のマーケットの話題は、FOMC議録の英文解釈一色。要は、(現代っ子の言い方を借りれば)、"景気はかなりやばそうだけどぉぉ、インフレも気になるしぃぃ"。これってスタグフレーション懸念ということかな?

スタグフレーション(景気後退と物価上昇の同時進行)で潤うマーケットは無い。株も債券も商品も下げのシナリオだ。金も4ドル下げて662ドル。といっても依然レンジの範囲内の動き。

さて、今回のサブプライム地震の被害拡大の最大要因がレバレッジであろう。1万円で10万円の取引が出来るというテコ効果である。サブプライムに全体の10%程度しか投資していないヘッジファンドが90%も減価するという理由はレバレッジによる。日本でも個人投資家のFX取引損失が、今回は3000億円という現象の要因となっている。

金投資に関しても、この事例は警鐘となる。シンプル イズ ベスト。現物を買って長期保有するという形態が原点なのだ。金ETFなら100%現物の裏づけのあるタイプでなければ信用リスクが生じる。

2007年