豊島逸夫の手帖

Page292 Sell in May and go away

2007年4月27日

NY金価格は9ドル急落して674ドル。急落しても670ドル台だから、思えば価格水準もずいぶん上がったものだ。

短期的下げの理由は、ドル、原油がやや軟化するなか高値圏にあった非鉄全般が売られたこと。昨晩も最高値を更新したNY株高の影響もある。いまや全米の一般メディアまでがダウ13000ドル突破で大騒ぎ。乗り遅れた個人投資家の"あなた"はどうする、みたいな報道が溢れかえっている。

昨日は株の儲けで余裕ができた人たちの金買いを取り上げたが、これは長期的投資家のはなし。短期のリターンを追う人たちは、目先、金より株が面白そうという判断で金を売って株に乗り換える。マーケットの勢いに乗ろうとするからモメンタムファンドなどとも呼ばれる。投機的なポートフォリオのリバランスゆえ、各市場の日々の上げ下げ次第で動きがコロコロ変わる。この連中の売りで下がる分には、まったく心配はいらない。NY先物買い残もおそらくかなり減少したことだろう。地合いが少しでも軽くなれば、そこに新規買いの余地を見出す。NY株高でリスクマネーも息を吹き返し、売買の回転も速くなっているから。

さて、目先の見通しだが、本欄にて2007年第一ラウンドでは680ドルの時点で650ドルまでの調整とした。結果は(瞬間的に)630ドル台まで下がった後、690ドルまで回復した。

そこで、現在進行中の第二ラウンドだが、筆者は670ドルまでの調整を見ている。結果が(瞬間的に)650ドルまで下がるか否か。いずれにせよ底値は切り上がってきている。700ドルへの流れに変わりはない。目先は下値模索。

日本では連休直前。NYでは5月が気候もベストで外で遊ぶ"go away"には最適の季節。歌手のポールサイモンは"ニューヨーカーの最大のあこがれの贅沢は5月に休暇をとることさ"と言う。そこでマーケットには"Sell in May and go away"という格言が生まれた。こんないい季節にはマーケットから離れて人生を楽しもうぜということ。そのせいでもなかろうが、5月は株でも商品でも下がるパターンが多い。

相場にはまったニッポンジンの方々も多いけど、休むも相場ですぜ。とりあえず5月6日までは"go away"しましょう。筆者もNYからのメールが届かない"圏外"に脱出します。

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