豊島逸夫の手帖

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すっかり定着したGoldilocks

2007年1月15日

本欄の読者の皆さんにはすっかりお馴染みのゴールディロックスという言葉がだいぶ普及してきたようだ。今朝のテレビ東京の経済番組の経済用語説明コーナーでも取り上げられていた。先週の日経本紙の記事の見出しにも使われるようになっていた。筆者も思わずうなったのが日本語訳。なんと"適温経済"だそうだ。うまいこと考えるもんだねぇ。

ゴールディロックスという言葉には、不況でもインフレでもない、そんないい状態がどこまで続くのか、というニュアンスもあると解説されていた。うますぎる話が長く続いた試しはない。筆者が"ゴールディロックスなら金は売り"と述べてきたニュアンスもまさにそこにある。

先週の金曜日にNY金価格は13ドル急騰して626ドルまで戻した。実態は、週末のポジション調整買いだが、ゴールディロックスという言葉がそろそろ使い古しの範疇に入ってくると、そろそろぬるま湯ぬくぬくも潮時かという市場の雰囲気も感じられる。"暑過ぎず、寒過ぎず"の微妙なバランスが、そろそろどちらかに崩れるのではないかという予感である。その鍵は米国住宅市場が握る。生命線を握っているのは勿論バーナンキさんだ。

原油安=インフレ懸念後退=減速といわれながらもしぶとい米国経済=ゴールディロックス=NY株高=ドル高、という流れが先行して始まった2007年。しかし、正月もやっと明けたかというような時期ゆえ、このトレンドが本年を通して先行逃げ切りの可能性は、著しく低いと云わねばならぬ。いまマーケットで売られているものが、第4コーナー=第4四半期まで売られ続けることも考えにくい。あのディープインパクトは、スタート直後、たいてい最後尾だった。本当のトレンドは第1コーナーでは未だ現れないのだろう。

2007年