豊島逸夫の手帖

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ファイアセールからバーゲンセールへ

2007年3月7日

マーケット全体が落ち着きを取り戻したところで、相場も反発。塑性から弾性へ。NYからのコメントなどにもバーゲンハンターの押し目買いという言葉が目立つ。

金ETF残高の推移にも注目していたが、590トンから591トンへ1トン増加。この1トンはかなりの量の売買の差(ネットの数字)ゆえ、意味のある1トンだ。買いが売りを上回ってきたことを示している。

まだ上で逃げ遅れた人達も救出を待っているので、戻り売りもあろう。ただ、下が浅いことは確認されつつあると思う。

今週は金曜日に米国雇用統計と貿易収支発表が控えている。本来のマクロ経済統計を材料にした動きに戻りそう。

昨晩のNY市場のトピックはバーナンキ講演。住宅問題に絞った発言であった。特にGSE(Government Sponsored Enterprises)=ファニーメイやフレディーマックなどの巨大な政府系住宅金融機関について言及。Affordable=借り手の身の丈にあった物件以外は手を広げるな、と。サブプライム問題を意識しての警告と受け止められている。この住宅市場に起因する信用リスク問題は、まだくすぶりそう。サブプライムと並んでGSEにも以前から不透明会計などが指摘されており要注意である。

為替もドル反発。ドル高(円安)&金高のパターンに転じた。ただ、このドルと金の正の相関も長く続くわけではない。円キャリーという特殊要因に基づく現象と見るべき。いずれグローバルなドル離れ、米国経常赤字などの構造要因に基づく負の相関に戻るであろう。従って日本人投資家の立場では、売る人には円安による上昇部分はオマケ、買う人には円高による下落部分がオマケ程度と考えるべきである。ゴールドアドバイザーの店頭でも新規買いが出始めてきた。売り戻し一色から様子に変化が見られる。

2007年