2007年9月6日
欧米金価格は680ドル乗せ。サブプライムショック直後に噴出したヘッジファンドの換金、益出し売りも一巡。それに代わって、債券市場発の信用リスクをヘッジする目的の戦略的買いが徐々に増加基調だ。その事実を裏付けるのが金ETF残高の急増。この2日間で632トンから645トンへ増えた。ヘッジファンドが売ったところを、すかさず年金が拾うというパターンである。特に、質への逃避先として断トツの米国債がすでに相当売り込まれた。その結果、昨晩は10年物で4.5%を割り込み5ヶ月ぶりの低水準。質への逃避も多様化しつつある。
サブプライム問題は本震から余震の段階か。NYのCNBC調査によれば、NY株は"底を打った"が65%、"まだ"が35%(9月4日現在)。ちなみに、8月14日時点では55%対45%だった。
マーケットの関心は9月18日のFOMCで利下げ確実か、という点。さらに"欧州中銀、利上げ見送り示唆"という見出しが今朝の日経一面に出ていたね。これまでの日米欧三極利上げモードという潮流に若干の変化の兆しが見られる。金利を産まない金にとって、これは追い風になる。
米国のレーバーデー週末も終わり、ディーラーが職場に復帰。さてこれからポジション張ろうというときに、ショート(空売り)からは攻めにくい状況だ。空売りは買い戻し、新たにロング(買いもち)から始めようという形勢である。
サブプライムショックで株、債券、外為ともにあれだけ大変動したのに金価格は650-670ドルのレンジに留まった。あれだけのマグニチュードでも 650ドルは割り込まなかったという安心感。加えて、4-6月需給四季報でもインドは過去最高を記録。中国も30%増という事実。
下値が確認されたところで、相場の方向性は上昇。700ドルにどれだけ近づけるか。秋相場の注目点である。