豊島逸夫の手帖

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中銀売却で続落

2007年5月25日

昨晩のNY市場は急落し654ドルで引けた。3連休前、しかも5月決算前というタイミングの売り手仕舞いである。後講釈としては、このところ五月雨(さみだれ)式に出ている中銀売却が使われている。

まず、スペインが3月末時点の金保有量が40トン減少。さらに4月に40トン売却との報道。そしてECBが2億8千万ユーロ相当分の金を売却と発表。18トン程度であるが、加盟数カ国の売却と解釈されている。

いずれもワシントン協定の年間売却枠500トンの範囲内である。しかも、ドイツが本年も金売却せずとの方針ゆえ、昨年同様500トンの枠は未達に終わる可能性が強い。したがってマーケットに動揺はないのだが、期末の投機筋の売りの口実としては充分な材料だ。

参考までに、中銀売却の動向は、2005年の年間売却量674トン、2006年324トンとなっている。

四半期ごとでは、以下。

 

1Q

2Q

3Q

4Q

2006年

93トン

117トン

61トン

52トン

2007年

95トン

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中銀売却以外では金ETF残高がしばらく減少傾向であったが、583トンから586トンへ反発してきたことが注目される。長期保有の買い手が、値ごろ感から新規買いを入れていることを示唆している。

なお、イラン情勢がまたぞろ騒がしい。イラクに関して米イラン対話の報道もあったが、米艦ペルシャ湾入りとかCIAによるイラン国内工作発覚の報道が相次ぎ、イラン側が反発を強めている。今後の金価格反発の材料になる可能性ありということで要注目。

2007年