豊島逸夫の手帖

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現場発 中国からのレポート

2010年11月30日

朝鮮半島情勢の問題に中国はいかに対応するか。党の長老たちも、ホトホト手を焼いている様子が感じられる。中には、あり得ない話だが、この際、先手を打って北朝鮮を占領せよ、などという極論まで出ているらしい。万が一、米韓に取られるくらいなら、先に動くほうが得策という発想であろう。

現実的には、米韓の共同軍事演習には不快感を露わにしつつ、水面下では北朝鮮という「あめ玉」をねだるダダッ子を黙らせるための「あめ玉」を模索しているのであろう。

そして経済面では、物価安定と雇用創出という二つの命題を満たすために、政策の微妙なかじ取りを強いられている。この二つの政策目標を同時に満たすことは容易ではない。現実的には不可能と断定できると思う。当面は物価安定に軸足を置きつつ、締めすぎの兆候が出れば、即、緩和に転じる。トップダウンの社会ゆえ、政策転換も「民主主義国家」より遙かに素早く実行してしまう。荒っぽいが、これが中国流。瞬間的に「慣性の法則」で行き過ぎてオーバーシュート、アンダーシュートしても、早晩、収斂してゆくであろう。

さて、アイルランドからの時差ボケを北京でも引きづっているが、昨日は「中国黄金第一家」=中国で一番金を売る店という菜百(ツァイバイ)を久し振りに訪問した。開店直後の朝10時というのに、一階から四階までの売り場はすでに客で溢れかえっている。日本と異なり、顧客に直接話を聞くことが出来るのも中国ならでは。客もあっけらかんと喋るし、店も一応ウオッチはしているが、止めもしない。

地金売り場で見かけた27歳の女性。50万円相当の地金を購入していた。銀行預金より「安心」と言う。高値圏で売るかと問われれば、上がればもっと買うと答える。日本で27歳の女性が金地金を買う風景はなかなか想像しにくいが、中国では珍しいことではない。

店のロケーションは、北京市内では中流の下くらいの場所。顧客もほとんどが普段着姿。女性はノーメーク。金が特別なモノではない。今回は色々写真も撮らせてくれたので、帰国後、披露したいと思う。

今朝は、お迎えもきたので、ここまで。なお、帰国直後、いきなり明日夕方、新宿で東証、SBI証券共催セミナー講演。↓
https://www.bc-seminar.jp/BcSeminar/SeminarUser/SU030003.aspx?p=OAAwADEAMAA1ADAAMAAwADAALAAwADAAMAAwADAAMAAxADgANAA= (現在公開されていません)

明後日は名古屋のETFセミナーで講演。↓
http://www.sc.mufg.jp/service/seminar/sp_seminar_gold.html (現在公開されていません)

早速、アイルランド、中国レポートしましょう。

2010年