2010年4月13日
ギリシア問題について。救済案がまとまり、当面の資金繰りの目途はついた。最大の課題は、これをきっかけに本格再建の道を歩むことが出来るかということ。
最大の敵はマーケットだ。具体的には今後発行されるギリシア国債に買い手がつくかということ。つかなければ国として持続的資金調達の道が断たれ、ふたたびEU&IMFに救済を仰がねばならぬ。でも、もはや追加的救済など期待できるはずもない。また、すべきでもない。
足元では、ギリシアは銀行団のシンジケートに「お願い」して新発債を買い取ってもらったりしているが、明らかにその場凌ぎ。一時はギリシア国債入札好調という報道もあった。安値狙いのヘッジファンドなどが買い手になったと思われる。でもヘッジファンドが国債の「安定株主」になるとは思えない。その時からギリシア国債は更に売り叩かれているので、安値狙いで買った連中は皆、損をしているわけだ。
故に、ギリシア問題の今後の最大の問題は、当面の資金繰りがついた後でマーケットの信認を回復できるかということになる。でも、疑心暗鬼になっているマーケットを納得させることは難しい。
ギリシアの公的債務の対GDP比は150%の高水準に「落ち着く」可能性が高い。「市場は支援策を評価。不安感後退」と伝えられるが、マーケットの戦いは、これからが正念場だ。