2010年12月28日
中国利上げの影響はやはり限定的であった。今後の注目点としてはブラジル、インドなど他のBRICs諸国が連鎖的に利上げに踏み切るか。(踏み切ると思う)。
すでに他のアジア諸国は利上げに転じており、中国の追加的利上げも含め、新興国全体が利上げモードに入ると、その影響はジワリと効く。
筆者は中国経済のバブル崩壊シナリオは否定するが、世界的金利上昇シナリオは2011年のリスクシナリオとして一応考えておく必要はあろう。先進国も、ソブリンリスクによる国債利回り上昇により、長期金利が上がってきている。
新興国は政策的短期金利上昇。先進国はマーケットの実勢による長期金利上昇。ただし、新興国は低レバレッジ国家。先進国は高レバレッジ国家。リスク連鎖の媒体となる証券化商品が新興国では未発達である。
さて、今日は米国S&Pケースシラ―住宅価格指数10月分発表が材料となろう。今の米国経済は「雇用なき回復」と言われるが、「住宅なき回復」とも言える。Jobless recovery に home-less recovery が加わる。米国はホームレス経済なのだ。
住宅在庫は相変わらず320万戸と通常の80%増の高水準。6-9月期の住宅販売の25%は差し押さえ物件。その差し押さえ物件の価格は通常の住宅に比し32%安い。ホームレス経済の回復の道は遠い。
中国利上げの影響が太平洋をわたって米国経済に与える影響を見極めたい。