豊島逸夫の手帖

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中国と南アの接近

2010年8月31日

先週、北朝鮮の金正日総書記が中国訪問する直前に、南アフリカのズーマ大統領が11人の大臣と400名の民間財界人を引き連れて北京を訪問していた。南ア大統領の外遊としては過去最大規模だったそうだ。前任者のムベキ大統領が「植民地的支配に陥る可能性」を嫌って中国から距離を置いたことと対照的である。

今や中国が南アの最大の貿易相手国。資源中心の輸出は65億ドル。製品中心の輸入は94億ドル。南アは、この貿易不均衡を是正したいと動く。とくに今後期待されているのが、中国による南ア国内のインフラ建設投資(鉄道、電力関連など)。さらに中国国内の人件費上昇に伴い南ア国内に生産基地建設も増えそうだ。

中国は南ア以外にも、モザンビークから石炭輸入、ナイジェリアから原油輸入、そしてエジプトには道路、鉄道などのインフラ投資を実行してきた。この中国の攻勢に対しアフリカのホスト国もおしなべて歓迎の意向を示している。唯一の問題点は、スーダンやジンバブエなどの問題国とも経済関係を深め、人権問題を棚上げしていることだろう。

金の世界では、今や南アを抜き世界一の金生産国になった中国の金鉱山に行くと、南ア出身の鉱山技術者を見かける。国内金産業が斜陽化している南アだが、地下2000-3000メートルを採掘してきた鉱山技術のレベルの高さは他国の及ぶところではない。その南アから中国へ技術が移転してゆくのも当然の流れではある。

さて、足元のマーケットは今週も米国マクロ経済関連の重要指標発表が相次ぐ。昨日書いたように、マーケットが神経質になっているのは、これ以上米国経済が悪化しても、当局が打てる政策に出尽くし感があることだろう。財政、金融両面において出来ることは、ほぼやり尽くした。これ以上(非伝統的)追加的政策を繰り出しても、それは将来のインフレという強い副作用を伴う劇薬だ。

先週金曜日のバーナンキ発言でも以下のように語られていた。

「これ以上の経済政策が無いわけではない。手段は残っている。ただし、その効果とコスト(副作用)の両面を考えなければならないのだ。」この政策不安が高値圏での金買いを継続させている根源的要因だと感じる。

しかし、まぁ、この酷暑はなんだろうね、まったく。猛暑で夏痩せより夏太りが急増しているそうだが、筆者もその一人。冬の間は25回もガーラ湯沢の半日スキーに通ってエネルギーのアウトプットが高水準だったが、夏は運動量が激減。基礎代謝も減る季節。しかしスイーツ摂取量は変わらず。結果的に体重が高校三年生以来超長期ボックス圏のレンジ内にあったが、今月は上限に張り付いたままだ。金価格とどちらが早く上放れるか~(笑)。ドバイは世界一糖尿病が(人口比で)多いので、糖尿病医療技術のレベルも世界最高という話にも納得。熱帯化するジャパン。ライフスタイルも根源的に考え直さねば。

2010年