豊島逸夫の手帖

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国債を持てる男子は女性にモテル!!...か!?

2010年6月16日

R25の記事風広告。広告主は財務省。

http://www.mediafire.com/?2mnyygmm2nk(現在公開されていません)

緊急調査「結婚するならどんな人」
Q1  結婚相手に求めるものは? 
ANS 堅実さや経済力
Q2  結婚相手にやってほしい資産運用は?
ANS どうやら女子は確実で安定感のある運用を求めているぞ!

そこで、婚活で結婚男子を目指すなら、個人向け国債の新商品「固定3」に挑戦!!

という仕掛けである。どこの広告エージェンシーを雇ったかしらないが、あの手この手で来るねぇ。これまでは藤原紀香とか小雪に「やっぱり国債」とか言わせてたけど。

じつは、筆者は、このR25の広告を英フィナンシャルタイムズ一面の記事で知った次第。ソブリンリスク高まる中で、国債消化の問題に欧州はとくに敏感。ジャパンではJGB(日本国債)をセックスアピールに訴えて個人投資家に保有させようと、タクシー内で養毛剤の広告の隣にJGB広告を置いたりしているが、反応は芳しくない、という記事。少子化の中で、900兆円を超す公的債務を減らす作業は並大抵ではないと書いている。

まぁ、ねぇ、いまどき国債で「確実で安定感のある運用」なんて口走ったら「経済感覚が無い男性」の烙印押されちゃうんじゃないのかな。財務省が思うほど、今の女性たちはアマちゃんじゃないよ。これツイッタ―やセミナーでの実感。

次は、金を個人的に大量に保有している米国議会議員(ロン・ポール氏)が、市場規制の問題を決定する立場にいることで非難されている話。商品市場規制論に対して影響力がある立場ゆえ。

このポール議員は1980年代からの金本位制復帰論者で、自らも1億円前後の金や金鉱株を保有し続けている。同議員の公職は金融サービス小委員会の共和党側トップ。
「何の裏付けもないドルの価値が減価することに対する保全として金を買っているわけで、個人の自衛策として当然のこと」と語っている。

それから ツイッタ―には昨日張ったけど ユニークな新商品のサイト。今日の日経商品面にも記事になってるね。↓
http://kikinzoku.tr.mufg.jp/(現在公開されていません)


もうひとつ面白いサイト↓
http://www.icbc.com.cn/icbc/%E7%BD%91%E4%B8%8A%E9%BB%84%E9%87%91/

資産規模で中国最大、というか、今や世界一の中国工商銀行(ICBC)の貴金属サイト。内容が充実している。リアルタイムで、美元(ドル)建て金価格、人民元建て金価格なども追える。そのうちにJeff Toshimaの中国語コメントが載るかも。来週も行くのだけど、「貴金属分析師」という肩書を付けられた。

欧米では銀行の国有化が起きているが、中国では銀行の民有化の真っ最中。最新の話題は四大商業銀行で最後の民営化として中国農業銀行(ABC)のIPOが進行中。総額二兆円近くにのぼるので、ICBCを上回る過去最高規模になりそう。

1950年代に毛沢東により設立され、顧客数は三億二千万人で米国の人口上回る規模。資産額ではインドのGDPを凌ぐ。でも財務内容は四大商業銀行中、もっとも脆弱。欧州財政危機、中国バブル懸念という市場環境悪化の中で、どこまで吸収されるか、みもの。

第一弾として、クエ―ト、カタール、シンガポールのSWF(政府系ファンド)が購入に踏み切った。こういう手法で景気づけしてから、いよいよ一般投資家に売り込むのが彼らの常套手段である。

最後に業界の話題。総合取引所構想が現実的になってきた。株も商品も同じ取引所で売買できる状況を作らないと、アジア時間の主導権を上海にもってゆかれるという危機感。ワンストップ・ショッピングならぬ ワンストップ・エクスチェンジだ。

筆者のところにも、東証、大証、東工取、三取引所連合セミナーや講演依頼などが舞い込むようになった。時代の流れを感じる。

2010年