豊島逸夫の手帖

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中国外貨準備急増

2010年10月15日

9月末の中国外貨準備が更に急増して2兆6千億ドルに達したことが現地でも話題になった。
「元上昇を見込んで大量の投機資金が当局の規制をかいくぐって国内に流入した」という報道に対して、国家外貨管理局は「外貨準備で保有しているユーロが対ドルで11%も上昇したのでドル換算の外貨準備が大幅に膨れ上がった」という異例の声明というか弁明コメントを出した。

この規制をかいくぐる投機マネーには当局も神経を尖らせており、マネーロンダリングの監視を強化させている。民間金取引なども監視の対象になってきた。そして、現地でマーケットの実態を見れば、株、不動産、そして金、と、国内過剰流動性が循環物色していることが感じられる。(番外編で、ニンニクを倉庫ごと買い占めて、にんにく転がしなどという例もあったけれど)。

それから今朝の日経朝刊国際面で「旧ソ連諸国が相次ぎ金増産」の記事が出ていたが、そこに書かれていなかったが大事なことは、ロシアが国内生産の金を外貨準備の金勘定に粛々と振り替えていることだ。

さて、足元の金価格は、昨日一時1390ドル近くまで急騰する場面もあり異常な地合いである。量的緩和競争による通貨価値の希薄化と、通貨安競争による通貨価値への不信により浮上した金価格だが、上げ方が急過ぎる。どんな相場でもこれほどの急ピッチで上げ続けることはない。

ただ、中国が今回の上昇局面では買い上がってきていることと、下がれば集中的な押し目買いを入れてくることは確認できた。下がっても大きく崩れる地合いではない、ということが今回の出張で得た実感である。1300ドル台は、まだまだ固まらず軟弱な地合いだけどね。

さて、筆者の個人的モチベーションである食べることのほうは、今回の出張ではいまいちだったなぁ(~_~;)
Banker's Club=銀行家倶楽部での夕食で良かったのか52階からの景色だけ。大手銀行主催のランチは、伝統的な上海料理で、これは良かったけど。やはり「食は広州にあり」ということも再確認。

2010年