豊島逸夫の手帖

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マクロ経済の潮流

2010年12月14日

2011年を展望する時期になった。米国はバーナンキさん主催の過剰流動性大振舞いパーティーが2011年にいよいよ佳境に。しかし宴たけなわで中締めとなり、大振舞いのマネーが回収されるときが心配。ただ、中締めの時期は2012年前半にずれこみそうだけど。

対して欧州はメルケルさん主導でドイツ流地味な緊縮政策を甘受せねばならぬ2011年。もしメルケルさんの言う事を聞かないとPIGS諸国もライフラインの援助を断たれる。生命維持装置を外されたら、あとは瀕死=デフォルトを座して待つのみ。

そして新興国はバーナンキさんが振舞った過剰流動性がなだれ込みインフレ懸念が加速。この「招かざる客」を水際で食い止めるために資本流入規制などの防波堤を築くわけだが、津波のような過剰流動性はそれを乗り越えて国内に乱入。ウイルスの如く入ってしまったものは、金融引き締めで押さえつけるしかない。でも、国内であまり引き締め過ぎると、せっかくの新興国の勢いに水を差すことになり、ひいては欧米経済にも合併症をもたらす。

その中で、唯一、日本だけが蚊帳の外。国内政局に忙しく、欧米からはbenign neglect=丁重な無視。

今後、筆者もいろいろ2011年を語り、書いてゆくが、その大前提となる経済環境は、ざっと、こういうところである。

各論に関しては、おいおいと。足元の相場は、米国QE2(量的金融緩和第2弾)からQE3の可能性も浮上。でも、ドル長期金利を下げる目的の量的緩和が逆目に出て10年債の利回りが3.2%にまで急騰してしまった。さて、FRBはどう対応するのか。今晩のFOMCの反応に注目。

QE3、欧州財政危機、そして中国引き締めの三つ巴で相場は展開している。昨晩は、予想された中国利上げがなかったこと。ムーディーズが米国債の格下げを示唆したことによるドル安などで貴金属全体が急騰している。

しばらく御用繁多でブログ間隔が空いた。今週は日曜に東証で証券関連セミナー。月曜は商品業界研修講演。今日はなんと女子オンリー100名(平均年齢20-30歳)というセミナー。木曜はガラッと変わって大手町で機関投資家(年金基金)勉強会。金曜は下関で地方講演。そしてトリは土曜日、日経ホールでのブログ、ツイッター読者限定、楽しく学ぶ勉強会。今日あたりから当選者にはお知らせします。マーケットの裾野の広がりを実感している1週間なのです。

それから12月1日付けで写真レポートした中国金販売最前線の模様が特別番組になって、17日金曜日、18日土曜日に日経CNBCから放映されます。この中の「中国黄金第一家」の凄まじさを見ると、金の下値は固いと理屈抜きで納得できると思うよ。

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2010年