豊島逸夫の手帖

Page932 通貨安競争、量的緩和競争で『頭角を現す』ジャパン

2010年10月7日

Provocation (挑発)という単語が筆者の目を引いた。日本が円売り介入、追加的金融緩和により、通貨安競争、量的緩和競争に参入して挑発しているという論調だ。とくに日銀によるETF、REIT買取案は、FRBも考慮すべきか、という議論を呼んでいる。

対して、マーケットは、お上が投入してくれるマネーが過剰流動性だろうが何だろうが大歓迎。NY株も出来高を伴って上がって来た。お上が協賛の鉄火場なれば、ちょっと寄って遊んでゆこうか、というほどの投資家の気持ちか。

時あたかも大手投資銀行が、金融規制の影響で自己勘定売買部門から次々に撤退して、市場の流動性低下が懸念されていた矢先。コモディティー市場にとっても恵みの雨である。しかし冷静に見れば、やや、はしゃぎ過ぎと思われる。

お上が投入してくれるマネーが、どれほど実体経済を潤すのか。銀行はバーゼルⅢを意識して与信には極めて選択的な態度を取らざるを得ない。企業も消費の回復がもたつく中で 資金調達ニーズも盛り上がらない。

このような市場環境下で、個人投資家としては、とりあえずお上協賛の宴会なれば参加してみるが、何時でも退散出来るように出口に近い席に座るべきであろう。ここでも「出口戦略」が大切だ。

金のパーティー会場を見ると、上座にポールソンとかソロスの「来賓」が鎮座している。
4000ドルになるとか、金はバブルだとか、一通り来賓の祝辞も終わり、今や宴たけなわ。
そこで司会が「ただ今、ニッポンのBOJ様が、ご祝儀とのことで、追加的流動性の提供を申し出られました!」
おおー、ジャパンもやるじゃん、パチパチ、と会場から拍手。
そろそろ失礼しようかと出口に向かって腰をあげていた参加者も、折角だから、もう少し ご相伴に預かりましょうと、再び会場の奥にも戻りつつある。
どうやら中締めまでは、まだ時間がありそう。
ちょっと出遅れてしまったが、これからパーティー参加の希望者も多いようだ。とくに中国人が会場の外でしきりに中の様子を窺っている。

さて、足元の相場でサプライズがあるとすれば、米国経済指標が予想外の好転を見せるシナリオか。そうなると、すでに市場に織り込まれた11月2-3日FOMCでの追加的金融緩和予測が後退する可能性もある。量的緩和競争で先制攻撃を仕掛けた日銀に対し、FRBが「反撃」しなければ、ドル安トレンドも反転する。

今後のマクロ経済指標の出方には、これまで以上にフォローが必要だ。さらに10月5日付け本欄に書いたように、「噂で買ってニュースで売る」展開も考えられる。 以上、釘刺しジェフのコメントでした。

さて、今週末は、広島、山口でセミナー。とくに山口は初めてなので楽しみ。↓
http://www.mmc.co.jp/gold/event/010031/index.html (現在公開されていません)

来週は、関係悪化後、初の中国出張。まぁ、拘束されないように言動には注意します(笑)。

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