豊島逸夫の手帖

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人民元切り上げを読むポイント

2010年4月9日

人民元切り上げは不可避かつ想定内。問題は、その切り上げ方。最悪が、専門的にはcrawling peg=クローリングペッグと言われるやり方で、芋虫が這うように、段階的にじりじり切り上げてゆくシナリオ。中央銀行内部で、切り上げすべきか否かで意見が分かれる時、妥協策として採られやすい。

しかし、これが最も投機の標的になりやすい。投機筋には、最もおいしい展開である。ちょっと切り上げたところで、ひとまず利益確定売り。若干自律的反落したところで再び買いを仕込む。そして、またちょっと切り上がるのを待てばよい。方向性は切り上げに決まっているので逆を突かれる心配がない。だから、おいしい。

ゆえに、最も望ましいのは、大胆に切り上げること。短期的にマーケットは大荒れになるが、産みの苦しみのようなもの。長期的には経済自体が新人民元レートに順応してゆく。いわゆる国際経済不均衡是正のための大きな一歩になり、マーケットは安定化路線を歩み、株も安心して買える市場環境になる。ただ、北京がそこまで大胆に決断できるかなぁ。よっぽど追いつめられないと、そこまではゆけないだろうね。

さて、金価格については依然、筆者は短期警戒モード変わらず。1150ドル以上は警戒水域。プラチナも同様。市場流動性が少ない、つまり水量の少ない池だから、入るは易し、出るは難し。買うのはいいが、売り抜けるのが難しい。マーケットがお祭り騒ぎになればなるほど、あとの二日酔いも辛いと知るべし。

最後に、ツイッタ―に登録したものの、jefftoshimaが検索で出てこない場合もあるようで、アドバイスもらいました。ツイッタ―登録したら、ログインした状態で、下記をクリックしてください。
http://twitter.com/jefftoshima
検索機能は不具合のようで使わないほうがいいとのこと。入力場所を「検索」ではなく、「URL欄」にすることがポイントみたい。

3週間ほど前に始めたわけですが、フォロアー数も1200人を超え順調に伸びてます。それでも、ブログ読者の15人に1人くらいの参加率。おおむねツイッタ―普及率に比例しているみたい。まぁ、このブログ同様、じっくり育ててゆきますよ。読者の方から言われました。「継続は力なり」。

昨日のツイッター問答から ひとつ。


ドル安、ユーロ安、円安、人民元高、資源国通貨高、無国籍通貨高の構図になると思う。 RT @alpine1300s: @jefftoshima 人民元切り上げで金価??

2010年