豊島逸夫の手帖

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中国利上げの影響

2010年12月27日

クリスマス利上げに踏み切った中国。0.25%は想定内。週明け月曜の極東相場は金価格が10ドルほど急落したあと1374ドルで反発している。まだクリスマス休暇が多く薄いマーケットだ。

魚の目で見れば、中国利上げの影響は限定的と見る。中国が金融政策を締め過ぎれば失業=暴動が生じる。これは党が最も嫌うシナリオだ。インフレは価格統制で直接的に(短期的には)抑え込めるが、失業となると構造的に直ちに雇用を生むことは難しい。結局、本気で引き締めることは躊躇せざるを得ない。

中国を外から見ている人達は大脳で「引き締めだから金は売り」と考える。しかし先日の北京収録金特番(CNBC)を見ても明らかなように、中国の中では個人がインフレヘッジで金買いに走る。

中国流の経済政策は、劇薬を用いる西洋医学ではなく、じわり効く漢方医療だ。極端な引き締めを恐れパニックに陥ることはない。

2010年