豊島逸夫の手帖

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日本国債が米国国債と戦う日

2011年3月29日

震災後、欧米ヘッジファンドがJGBショート(日本国債売り)を狙っている。これまでJGBに売り攻勢を何度もかけて、ことごとくやられてきたヘッジファンド勢。しかし、今回の震災は彼らに格好の売りの口実を与えてしまったようだ。

未曾有の復興予算捻出のために、タブーの日銀引き受けまで語られる状況で、財政規律の喪失は必至と見ている。日本が債権国から債務国へ落ちてゆく過程のペースは、震災により確実に早まった。債務国が発行する日本国債と米国国債が欧米市場で買い手を求めて競合する。そんなシナリオが絵空事とは言えなくなった。

それでも筆者の見方は今回もヘッジファンドの負けになると見ている。しかし、震災復興後、財源捻出の無理が祟る時期になると、日本の庶民の間にも日本国債危機感が拡散するのではないか。日本国民と欧米ヘッジファンドの両方を敵に回すとなると、さすがに勝ち目はなかろう。

次に日経ヴェリタスの今週の特集「終わらぬ危機はない - ここからの資産運用を考える」。守りの運用3つの鉄則として、1.流動性(動かしやすさ)、2.単純性(わかりやすさ)、3.分散性(幅広さ) の3項目について、注目資産の評価を試みている。

―ETF 1△ 2○ 3○
―日本株 1○ 2○ 3×
―外貨 1○ 2× 3△
―金 1△ 2△ 3○

筆者も取材を受けてコメントしているが、金の評価の結果について ここでコメントしてみた。

まず流動性だが、機関投資家の大口注文なら流動性を欠くことはあるかもしれないが、個人投資家の場合には流動性に問題はない。いつでも売れる。ただし、プラチナ、パラジウム、銀は、明らかに×である。

分かりやすさの面では、実物資産としての金現物こそ最も分かり易いのではないか。実際に触って重みを感じれば、後の説明は要らない。これが金ETFになると一転、分かりにくい。売買コストが安く証券口座があればクリックひとつで売買できる便利性はあるが、そこに至るまでに商品の仕組みを理解することが、一般個人投資家にとってハードルが高い。

さーて、昨日ツイッターでなんとなく呟いたことがきっかけで、大きな流れが生まれました。

「復興支援チャリティーセミナーを 企業団体の提供を受けずに ボランティアの手作りでやってみようか」という筆者の呟きでした。たちまち「大賛成」「ぜひお手伝いをさせて」と同意の輪が拡大。

質素な会場で、参加費は全て寄付。会場費は筆者が持ちます。
開催場所は 東京、関西、名古屋、福岡。
とりあえず東京会場に関しては、良き後輩たち、ブルース池水雄一は即ツイッターで協力のレスくれたし、亀井幸一郎も喜んで参加。日経金担当の村上史佳記者も司会役をかって出てくれました。

立派な会場で開催される営業向けセミナーとは異なり、ブログツイッター読者限定で、皆がセルフサービスで参加する形式です。パワーポイントなどの器材もありません。受付もボランティアでやってもらいます。セミナーといっても配布資料があるわけでもなく、ぶっつけ本番、本音トークのみ。

筆者の経験でも、凝らなければ、セミナー開催はさほど難しいことではないのです。こんなご時世でセミナー会場はガラガラでしょうし。

まずは4月9日土曜日午後に神田あたりの駅から遠いけど安い会場を物色中。明日には具体的に発表できると思います。

問題は規模なんだけど、これまでの経験からいうと、ブログツイッター限定で500名くらいの応募があるのだけど(亀井、池水が揃えばもっと来るだろうし)、でも本当は100名くらいの小規模のほうが一体感で盛り上がるもの。ここが悩ましいところで思案中。

2011年