豊島逸夫の手帖

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ギリシア危機、ユーロ安、ドル高、株安、原油安、金高

2011年6月16日

マーケットがキナ臭くなってきた。VIX(恐怖指数)が16%上がって21.30まで急騰。ギリシア危機がいよいよ待ったなしの正念場を迎えた感あり。昨晩はrisk-off(リスク回避)の日となった。

テレビニュースには、厳しい緊縮政策に耐えかねたアテネ市民のデモ光景が流れるが、マーケットに効いたのはフランス大手三行の格下げ。欧州系銀行のギリシア国債大量保有が改めて不安視され、リスクのcontagion(伝染)懸念が加速する結果となったのだ。

これまでも書いてきたようにギリシアのソフトデフォルトは不可避。マーケットも織り込んではいるものの、切迫感が強まれば、やはりリスク回避の方向に動く。ドル、米国債、金が買われる展開。

金価格はドル建てで1515ドルから1530ドルまで、NY午前中に一気に跳ねた。ユーロ安なのでユーロ建て金価格はほぼ史上最高値に近い水準まで急騰している。

マネーの流れを見ても、ユーロから逃げ出したおカネが行先を求めてさまよう。金需給統計(2011年1-3月期)でも欧州の金需要が78.1トンと前年同期比98%増を記録している。国別でもドイツ37.7トン(↑103%)、スイス28.2トン(↑117%)などが目立つ。

商品では原油、銅プラチナなど景気敏感メタルは売られ 金銀が買われた。

今や世界地図を見ても、中国ではインフレ、利上げ懸念、米国と欧州は深刻な債務懸念。高まるリスクを映して金価格が上がってきた、というか下がらないね。

2011年