豊島逸夫の手帖

2011年12月16日

「金は未だ調整の必要あり」
金暴落の翌朝。シンガポールのジム・ロジャーズ氏豪邸のプール・サイド。
冒頭、筆者がひとしきり弱気論をぶったところで、彼が首を縦に振って返した言葉である。未だ、金価格の下げ余地がかなり残ることを、強く示唆した。
日経ビジネス誌上対談ゆえ、これ以上、仔細に亘って書くことは憚られるので、同誌新春企画のお楽しみとしたい。
それにしても、今年４回目の対談ということで、彼のリクエストでユニークな設定になった。
家族で欧州スキー旅行から帰ったばかりというのに、日課の自転車こぎマシーンに乗り、こぎ続ける傍らに筆者が立ちつつ語り合う。

さすがに筆者もスーツを脱いだが、それでも、二人のドレス・コードのミスマッチに苦笑。運動中で徐々に息が荒くなる彼に、笑顔で語る筆者の図は、人の苦しむのを笑って見る如くの印象を与えかねずと、カメラマンが懸念するほどであった。
毎朝１時間半は、自宅ジムでエクササイズという、なんとも元気な６８歳。４歳の娘さん（孫ではない）の父である。無邪気に甘える娘さんをあやしながら世界経済を語る、家庭的で和やかな２時間であった。