豊島逸夫の手帖

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イタリアに10年間7%でカネ貸せるか

2011年11月10日

投資家「うーむ。7%の高利回りは魅力だけど、政治の世界のゴッド・ファーザーが辞任する国に、10年間カネ貸すとなるとなぁ。かなりのハイ・リスクだから、それなりの金利も貰えないと割に合わんなぁ。うっかり国債買って、満期前に売却すると、えらい売却損が出るし。」
イタリア政府「まぁまぁ、お客さん。そうおっしゃらずに。ここはECBとかEFSFが、あの手この手を考えてサポートしてくれることになってますから。国家再建仕事人IMFの監視団も受け入れますし。」
ドイツ政府「おいおい、そう簡単にECBとかEFSFからのサポートを期待されても困るぜ。結局、そのツケは我が国に廻ってくるんだろ。」
ドラギECB新総裁「EFSFの資金が使えるのは12月以降だから、うちが当面当てにされてるみたいだけど、やりにくいんだよなぁ。私はイタリア出身。その新総裁が就任早々母国の国債買いまくるなんてシャレにならんで。」
ドイツ「ドラギ君。君の仕事は通貨の番人として俗世界からは独立して断固ユーロの価値を守ることなんだから、よろしくね。ゆめゆめバーナンキくんのマネをして、札束をヘリコプターからばら撒くようなことしたらあかんで!」
ドラギ「それは、もう。うちは国債買っても、代金としてばら撒いたユーロはバキュームで全額吸い上げてますから。ご心配なく。」
ドイツ「そうは言っても吸い上げるカネは銀行間市場に溜まっているカネで、無尽蔵にあるわけじゃないでしょ。」
投資家「ゴッド・ファーザーの跡継ぎの若頭が誰になるのか。果たして組を纏められるかなぁ。国債利回りが7.5%まで跳ね上がると、基礎的財政収支=プライマリーバランスが6%の黒字になって、やっと公的債務の対GDP比の現状維持が出来る程度と言うし。ゼロ金利の時代、7%は誘われるけど、やっぱ買うのやーめた!」

さて、チャリティーではないけど、大阪(11月14日)、東京(11月23日)のセミナー案内↓
http://www.tokaitokyo.co.jp/company/info/seminar/glo_semi201111_2/glo_semi201111_2.html (現在公開されていません)

大阪では天王寺駅裏ディープな大阪でたこ焼き食べて、帰りは祇園の行きつけの小料理屋に寄って。個人的には、プライマリーバランスよりワークライフバランス(WLB)のほうが大事(笑)。

2011年