豊島逸夫の手帖

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新聞見出しで乱高下する市場

2011年10月19日

昨晩のNY市場。引け際に英ガーディアン紙が"独仏 EFSF2兆ドルへ規模拡大合意"という報道で株式急騰。然し、通信社ダウジョーンズが"2兆ドルはtotally wrong 完全な誤報道"と逆襲するや株価急落。いまや欧州債務危機の伝染(contagion)が米国へ波及の感あり。本稿執筆中にもムーディーズ スペイン国債格下げのヘッドラインが流れる。
金も1620ドル台から1670ドル台までのレンジで乱高下。結局1650ドル台で引けた。相変わらず荒っぽい値固めだ。

そして中国。注目のGDP成長率は事前予測9.3%より低めの9.1%と出た。この程度のペースでジワジワ8%にまで減速し、物価上昇率は6%台から3-4%台までジワジワ下落すれば目出度くソフトランディングなのだけど。果たしてそんなにうまくゆくかな。中国の場合、党長老が中国人民銀行のテクノクラートたちに、ちょいちょい口出しするからね。結局 党主導の金融政策は緩みがちのバイアスがかかる。GDP成長率は高水準を維持し、否、維持させ、新規雇用を創出する一方でインフレリスクには目をつぶることになると思う。野菜の値段が上がればたしかに台所を直撃するが、職を失えば路頭に迷う。どちらが暴動の引き金になりやすいか明白である。その暴動こそ党長老の最も嫌うシナリオだ。特に来年の党大会では国家主席の交代が控える。ムック本"金と世界経済"83ページで述べた"温家宝プット"となりやすい地合いだ。

さーて昨晩は日経本社セミナールームで電子版スタッフの皆さんの全面的協力で実現したチャリティーセミナー。GFMSポールウオーカーを迎え、亀井幸一郎と池水雄一の良き後輩たちと4人で台本なしぶっつけ本番のジェフ流セミナー。150名応募に対し140名参加で出席率9割以上。寄付金総額も408,508円に達しました。一人当たり平均3000円弱程度。中には奮発していただいた方々もおられて感謝。例によって気まぐれな思いつきをツイッターで呟いたのがキッカケでいきなり10日前に決めてブログで告知。しかもサラリーマンや主婦にはキビシイ平日の夜7時からという時間帯にもかかわらず大勢が参加してくれて感謝!
ブルース池水がポールの通訳役で、ポールが弱気論を述べると、影響されて弱気になったり、私が聴衆に向かって英語でまくしたてたら思わず彼が日本語で通訳し始めたり。その度に大爆笑。亀ちゃんも講師ドレスコードをカジュアルとしたので急遽、御贔屓阪神タイガースハッピ着用で登場。実に良い雰囲気でした。
各自のコメントもニュアンスがかなり違って私も檀上で興味深く感じました。私は成り行きで"引き出し役"に廻ることになりましたが。
パネルのコンテンツは日経電子版と日経マネー誌で報道される予定です。

私も独立して組織業務からは解放されたので週末のチャリティーセミナーを再開しますよ。まずは 名古屋、大阪だね。大阪では天王寺の御贔屓お好み焼き"山ちゃん"の店でも借り切ってやろうか などとツイッターでは呟いてます。好きに自由にやれる身なればこそ 何でも出来るのでいいですねぇ。。
また、いろいろ差し入れいただきありがとうございました。各種スイーツ以外にも 殻付きアーモンドから 生タコ、じゃがいもに至るまで!事務所で、家庭で食べてます。

2011年