豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖
  3. バックナンバー
  4. 震災で円キャリー復活の兆し?
Page1024

震災で円キャリー復活の兆し?

2011年3月30日

昨晩の欧米ではドル円が82円台にまで円安に振れた。(82円で円安という言葉を使うことに抵抗はあるが...。)

セントルイス連銀ブラード総裁の出口戦略を匂わせるタカ派発言がドル利上げ前倒しの観測を産み、欧州サイドではトリシェECB総裁が、相変わらずタカ派(利上げ示唆)発言を繰り返す。

新興国利上げモードに続き、欧米でも利上げの匂いが漂い始めると、世界を見渡し、唯一日本だけが利上げからは程遠い国となる。震災により、さらに日本グローバルな利上げサイクルで最後に残る国としての印象度は強まった。

円のゼロ金利状態は継続。ドル円相場は協調介入でがっちり円の上値を固められる。しかも、震災ショックのマーケットに対し日銀は市中へ巨額の流動性を供給中だ。

こうなるとリスクマネーが円キャリートレードに誘われても不思議はない。今となれば懐かしい言葉だ。円キャリーという用語は。円キャリーの時代の後、長期に亘るドル安基調の中でドルキャリーが当たり前の状況が続いた。しかし今年に入り、ドル独歩安から、ドル安ドル高交錯の地合いへの変調が顕著だ。

そもそも、キャリートレードは、低金利通貨を借りて、リスク資産で運用することで収益を狙う取引。ゆえに、当該通貨(funding currency)の金利が著しく低いことと、借りた通貨の返済時に通貨高では為替差損が発生するから funding currencyの先安感の二つの条件が満たされなければ成立しない。今の状況では、ドル円の先安感がマーケットを支配というわけではないが、少なくとも、協調介入により円の上値をcapされている(上限を課せられている)ことは確かだ。そこで円キャリーによる運用対象セクターとして、またぞろ商品なども囃される。

さて、今週は雇用統計をはじめ、重要な米国経済統計が並ぶ。しかし筆者の気持ちは福島原発が気になって、どうも集中できない。米国からは、専門家の発言として南カリフォルニア大学教授が、"This is far beyond one nation can handle―it needs to be bumped up to the UN Security Council"(福島はもはや一国の手に余る。国連が介入すべき問題)といようなコメントも聞こえてくる。国連監理下はいやだなとツイッタ―で呟いたら、「個人的には早くそうしていただきたいです。悲しいですが現在の状況を伝える事実に疑心があります」という呟き返しもあった。同感。

それからNYタイムズ紙は、日本の過度な自粛ムードに対して批判的な記事掲載。「都民が花見まで自粛して、被災者たちとの連帯を示し自粛する側に善行をしているというムードを醸し出す安易な方法。これが国民経済への悪影響を考えていないようだ。」というような論旨。これも同感。

さーて、復興支援セミナーの開催要領を纏めました。
日時:4月9日(土)13:30から
場所:神田周辺(ほぼ固まってます)150-200名程度。

あくまでチャリティーなので、参加費として、1000円刻みで、筆者の気持ちとしては、一人3000円くらいは期待してます。勿論万円単位も大歓迎だよ(笑)。豊島が責任を持って全額寄付します。結果も勿論報告します。

その代わりといってはなんですが、セミナーには金関連ではオールスターを並べました。
亀井幸一郎氏、池水雄一氏。司会は日経金担当記者・村上史佳氏。

もちろん全員意気に感じての手弁当。ぶっつけ本番の本音ぶっちゃけトークのみです。ブログとツイッタ―を通してのみの告知ですから、参加者全員がボランティア―のつもりで、当日会場でも全てセルフサービスで協力すること!営業セミナーのような客扱いを期待する人達は御遠慮ください。配布資料もパワーポイントもなく、手造りの集いです。

受付などは既にボランティアをかってでてくださっている方々にお願いします。

なお席数に限りがあるので個人投資家優先。業界関係者は御遠慮ください。どうしてもという方は、立ち見で何名か入るかな。(このブログは業界でも幅広く読まれているので、業界バージョンも別途企画中)

応募はメールで
ga@zas.att.ne.jp (受け付けは終了しております)
FAXは 03-3423-3803
折角だから、なにかコメントでも書いてくれると嬉しい。

2011年