2011年3月28日
NYタイムズが長文記事で中東情勢を書いている。 Unrest in Syria, Jordan poses new test for U.S. policy. (シリアとヨルダンが米国政策の新たな試練)。
米国中東政策にとって、イスラエルとイランが最も気になるところ。リビアをNATOに投げたところで、次の出方が注目される。すでにイラン友好国シリアに暴動などの政情不安が飛び火し始めた。そのシリアに向けて、イランが軍艦2隻をスエズ運河経由で派遣したことはまだ記憶に新しい。
ジャスミン革命で漁夫の利のイランと、最も強い脅威を感じているイスラエル。この件に関しては、先週発売の日経マネー最新号「豊島逸夫の国際経済の読み方」で正に論じているので、読んでいただきたい。「中東ジャスミン革命をJカーブで読み解く」という見出し。
欧米市場ではFukushimaが後退して、中東が最大の注目材料。それにポルトガルが加わる。しかし、実態を見れば、Fukushimaは悪化の一途だ。東電の発表数字訂正騒動など酷過ぎる。首都圏屋内退避くらいのシナリオは頭の中に入れておくべきだろう。
週末は関西に出張したが、東京から来ると街が賑やかで明るくて人通りが多くてビックリ。こんな感覚は初めての体験だった。西高東低だね。
前回の本欄で提案した民放5局輪番停波にはツイッタ―でも同意の声が多かったが、万が一、首都圏屋内退避となると、原発報道拠点が大阪の民放に移ることさえあるかもね。正直、帰京したくなかった(苦笑)。
今週の欧米マーケットは米国経済に雇用統計をはじめ重要指標が並ぶ。突発的にFukushimaが再び材料視される局面がないことを祈るが。
なお、ツイッタ―では巨大な復興予算が日本国債の臨界点を早めることが話題になった。宮城沖大地震は30年以内に99%の確率と警告されていたが、日本国債の臨界点は10年以内に99%の確率で来ると思う。しかし10年というと切迫感に欠けるもの。やはり地震警告同様に風化してゆくのだろうか。