豊島逸夫の手帖

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ギリシャ切り捨て論を論じるG20

2011年11月4日

フランスの風光明媚なリヴィエラで開催のG20. 当初の議題は世界的投機マネーの封じ込め、更に商品取引規制などを論じる予定であったが、一転、ギリシャ国家投票問題が専らの争点に急浮上。
ギリシャ救済より、ユーロ救済に政策的優先順位がシフトする印象。
外電を通じて流れる発言も手厳しい。
「ギリシャのユーロ離脱の出口戦略を模索」(EU財務相会議議長役のルクセンブルグ首相発言)
「ユーロはギリシャ抜きでもやってゆける」(フランスのEU担当相)
そしてメルケル女史も明確に「政策優先順位はユーロ救済にあり、ギリシャ救済ではない」
G20会議開催ホスト国として世界金融システム安定を中心的議題に掲げリーダーシップを発揮と意気込んでいたサルコジ氏も、専ら、ギリシャ問題の調整役に廻ることに。

対して、当のギリシャ首相のほうは、国際世論の集中砲火を浴び、またまた弱腰の態度一変。「国民投票しなくても構わない」と、匙を投げたような、はたまた、投げやりのような発言。
メルケルとサルコジはギリシャ政府が国民を説得して緊縮を忠実に実行せねば、カネはびた一文ださぬぞ、と迫る。
しかし、ギリシャ議会では国内政治を映す政争が展開される。
現首相を辞任に追い込む流れも顕在化。もし、総選挙となれば、もはや、マーケットは そんな悠長なことはいってられない。待っていられない。ハード・デフォルト止む無しへ一直線となる。

そして、金価格はFOMC超緩和継続とECB利下げを受けて1760ドル台まで上昇した。
このことについては
 http://kikinzoku.tr.mufg.jp/
のディスクレ地獄のユニークな(笑)筆者ブログを参照していただきたい。

それにしても暖かいね。スキーシーズン前の自主トレも快適。築地場外の鮨屋開拓も順調に展開中。11月2日の日経朝刊マネー&インベスト面記事での筆者写真の背景のモニター画面について色々聞かれたが、あれは株、債券、外為、商品の各セクターをフォローするための6画面。複眼構造で各市場の目配せするためには不可欠の設備だ。
さて、今晩は、米国雇用統計だ。

2011年