2011年7月1日
商品市場からのマネー流出が止まらない。積極的な空売りというより、ファンドのポートフォリオの中でコモディティーがオーバーウエイトになり過ぎたので、ギアをニュートラルにシフトしている感じ(なんかカタカナ英語ばかりでゴメン!)
1500ドル以下の金価格「安値圏」(!?)はたしかに新興国が拾ってゆくのでサポートされているのだが、さらに上昇するエンジンのパワーが不足している。
相場が夏枯れっぽくなると、QE2終了、すなわち市中への貨幣供給の純増が無くなることが、じんわりボディーブローのごとく効いてくる。ただし、である。それで下がりっぱなしとはならず。
今年の日本の夏は、いきなり6月末から襲ってきたが、夏相場の山場となりそうなのが8月初旬だ。8月2日には米国連邦債務上限の最後の期限が来る。これ以上は引き延ばせない。それまでに債務上限を引き上げないと、本当に米国債がデフォルト(債務不履行)になるから、ギリギリの折衝が民主党共和党の間で繰り返されよう。まさかとは思いつつ、マーケットは神経質になり、ドルが大きく売られる局面もあろう。(金は急騰)
そして8月9日にはFOMC。その間に米雇用統計も入る。このあたりが夏休み真っただ中ではあるが、値が飛ばしそうなタイミングではある。長年マーケットを見てきたが、夏休み中も意外に大きく動くことが数年に一回はあるものだ。
ギリシアも当面は凌いだが、おそらく今後、毎月のように今回のような騒動が繰り返され、先送りの限界に達した臨界点でソフトデフォルトとなりそう。フランスの大手金融機関が選択した30年債へ借り換えという方法をドイツの金融機関をはじめ他国も受け入れると、これをソフトデフォルトと看做すか否かという格付け機関の議論も噴出しよう。筆者に言わせれば、ギリシアのような借り手相手に30年にも返済期間を延ばすなんて、出世払いもいいとこで 実質借金踏み倒し容認でしょ。
なお昨日6月30日でQE2が終了したので、本日7月1日の日経電子版「金のつぶやき」コラムは、「QE2終了の意味と商品市況の行方」を書いた。