2011年5月2日
今朝は早朝から銀が4ドル以上暴落して43.60ドルまで下げている(執筆時点朝7時)。兆候はあった。金曜の欧米市場で金が1560ドル台まで急騰。プラチナもパラジウムも急伸する中で銀だけが下げ始めていた。50ドル近くではリサイクルが急増していたからだ。これは売りっぱなしだからボディーブローみたいに効く。
まぁ、本欄では警告してきたことで、読者は驚かないとは思うが、独歩暴騰の反動である。銀の動きはブログでは追い切れず。ツイッターで。(数分で全財産を失ったという悲痛な呟きが早くも出始めた。銀の商品先物市場は損切り発動で個人の怪我人が多数出そうな雰囲気だ。)
さて、話を貴金属市場全体に戻そう。FOMC(米国金融政策決定会合)を巡る量的緩和政策の動向は株、商品全体に買いの安心感を与えた。
これは先週OAの日経CNBC金特番「金1500ドル突破 これからどうなる」で使ったもの。時系列で今後の米国金融政策の行方をまとめた。
QE2(量的金融緩和第二弾)が終了しても、ばらまいたドルの回収までには、まだ時間がある。さらに米国マクロ経済統計、とくに住宅、雇用関連が再悪化すればQE3の可能性も捨てきれない。いわんや利上げとなれば当初は今年末という話もあったが、今や来年中旬から後半にずれ込みそうな気配。
まずはMBS(住宅ローン担保債券)の償還分を再投資し続けるか否かがポイント。これ、再投資しないと、ばらまきドルの実質的回収となるからだ。まぁ、本格的な回収は来年だろうけれどね。
要は、有事対応の超金融緩和政策を正常化することと、金融引き締めに転じることとは別問題。まだ1年くらいはかかりそう。ということは、マーケットはバーナンキ・プットを当てこんで高値圏を維持しそう。(バーナンキ・プットとは、景況感が悪化すれば量的緩和でおカネばら撒いてくれるから、実質的にFRBがプット・オプションの役割を果たしているという意味。)
それにしても金価格が1500ドルを突破してからの上昇ピッチは異常だ。早過ぎる。釘を刺しておく。
今週の材料としては、なんといっても金曜の米国雇用統計。中国利上げの可能性もあり。
ドル円は、積極的な円買いというよりグローバルなドル総投げに巻き込まれているという地合い。ただ協調介入がちらつくので投機筋も円は仕掛けにくい。どちらかといえば投機マネーは円売りのタイミングを狙っている。
さて、本稿を事務局に送ろうとしたら、某経済チャンネルでは「金価格が時間外で史上最高値を更新中。今日は資源株などが、うんぬん...」。おいおい、大丈夫??金関連情報に疎すぎるね。