豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖
  3. バックナンバー
  4. ギリシャに飽きたマーケット
Page1091

ギリシャに飽きたマーケット

2011年10月26日

欧州債務危機の材料も陳腐化してきた。欧州の寄合所帯がまとまるはずもなく、ギリシャが改心してキリギリス組からアリ組に転じることも民族性からして考えにくい。長期化は必至だ。ということはマーケットが飽きてくる。
そこで次の材料探しだが、ここは米国QE3と中国経済減速か。
欧州債務危機が米国に伝染中。(3年後には日本債務危機に伝染か。)
ツイストオペにもマーケットは踊らず。となれば これまでハードル高しと言われたQE3が再び視野に。
そして欧州銀行がバーゼル銀行規制を意識して資産削減に動くあおりで、新興国向け融資も削減。信用収縮の兆しが見え始めた。そうなると、中国もインフレ警戒のあまり引き締めすぎる(オーバーキル)とハードランディングになりかねず、銀行の準備率も一転引き下げる可能性が浮上。インフレと雇用の相反する政策目標の中で綱渡りが続く。締めすぎと緩めすぎの二つのリスクが共生する経済だ。

金価格再上昇のキッカケは やはりQE3再浮上と 中国がハードランディング回避のためインフレを容認するシナリオか。

金価格は1700ドル台回復。

なお、プラチナと金の比価を見る参考に以下二つのチャートがある。
興味深い。
http://www.kitco.com/charts/techcharts_platinum.html
http://www.kitco.com/charts/techcharts_gold.html

「豊島逸夫の金道場」"金価格が本格下落に転じる時"はこちら↓
http://lounge.monex.co.jp/pro/special2/2011/10/20.html

2011年