豊島逸夫の手帖

Page1094 円介入で海外金急落

2011年11月1日

昨日はアジア時間早朝、1740ドル台で始まったが、午前10時半過ぎの円売り介入開始の時点から、一気に1710ドルまで30ドル幅で急落。1700ドル以上では新興国の実需も薄れていた背景もあり、売られるままになった。外為市場に於ける対円でのドル急騰が効いた。
そして欧米時間帯に入ると、次から次へと欧州経済不安要因が噴出。先週、市場のムードを支配したユーロ・オプティミズム(先行き楽観論)が吹っ飛んだ感じだ。ここでは対ユーロでドル高が金売りを誘った。
EU圏失業率が10.2%にまで悪化。スペインが22.6%、ポルトガル12.5%など。特に若年層の失業がスペインでは40%を超えるなど最悪だ。
ギリシャでは、一連の「包括的救済案」の是非を巡り国民投票を実施の意向と首相が表明。国民の51%は反対と言われ、一段の混迷化を連想させる。
そして欧州債務危機が、遂に米国金融大手の破たんという形で伝染。
MFグローバルという商品などのデリバティブの仲介をするクリアリング業務などの大手。顧客勘定と自己勘定の分離が適正に行われていたかなど、今後、カウンターパーティーリスク(売買相手の債務不履行リスク)が高まるは必至。負債総額が3兆円以上。欧州国債保有が、大手投資銀行を上回るほどの規模に膨らんでいた。既に先週から破たん近しと噂されており、スローモーションで破たん劇を見せつけられた感じだ。これが負の連鎖をただちに誘因するとは思わないが、米国への伝染を印象づける象徴的出来事ではある。おりから、反ウオール街デモに答える形で、来年の大統領選挙も睨み、オバマは金融機関への締め付け強化の姿勢だ。大手投資銀行でさえ、もはや「大き過ぎて潰せない」とも云っていられなくなっている。来年にかけ、米国への伝染がリスク要因として要注意だ。
欧州からの債務危機ウイルスの侵入に対する"ショックアブゾーバー"みたいな位置づけで、QE3も議論されるかもしれない。
VIXも22%急騰し、再び30前後をつけてきた。
商品市場では、MFグローバル破たんによる、特に原油関連のポジションの強制手仕舞いの可能性も囁かれる。
このようにマーケット全体がきな臭くなると、米国債へ逃避現象が再び顕著に。10年債利回りが資金流出により2.4%台まで上昇していたが、昨晩は一転買われ2.1%にまで急落。
そこでリスク回避マネーが金にも流入かと思いきや、そう理屈通りには行かないのが「相場は生き物」と言われる所以。
ドル高という売り材料のほうが勝った。
まぁ、魚の目で見て高値圏での調整局面継続だね。

しかし、今週はながーい1週間だ。
昨日述べた3つのビッグイベントがこれから始まるわけで。まだまだ前哨戦の段階。筆者も完投ペースを考え、スキーシーズンに備えた自主トレとか、虎屋で適当に息抜きしながら、昼間は軽く流している(笑)。高層階の新事務所から見える夕焼けの富士山にも、思わず20分ほど見とれてしまった。ランチタイムは、月島もんじゃと定食屋の揚げたてメンチカツ定食(800円)に、はまっている。

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