豊島逸夫の手帖

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インフレ懸念後退でも金価格上昇

2006年3月17日

今週注目の米経済指標のひとつ、米消費者物価上昇率(CPI)が0.1%増と発表。物価は安定している。インフレの兆しは感じられない という数字なのだが、欧米市場で金価格は上昇した。本稿執筆時点(3月17日朝8時)で、スポット555ドル。

実は、一時は547ドルまで売り込まれる場面もあったのだが、長くは続かなかった。マーケットの解釈は、やはり金利中心の発想。物価安定=利上げ継続の必然性なし、ということで、金は買われたのだ。

更に、イラクで米軍が2003年以来最大規模の爆撃の報が、地政学的リスクとして作用したことも指摘される。

まぁ、この2週間ほど、さんざん各種米経済統計に振り回されたが、結局、振り出しに戻った。

下がりきれなかったので、市場には4月中に600ドルなどという予想(CPMというコンサル会社)も出始めたが、それほど強気にはなれない。

今日は、これから北京へ。

中国黄金投資xx高級人材xx(xxは日本語ソフトにない漢字)とかいうセミナーに招かれ講演。

参加者は、中国人民銀行貨幣金銀局官員、中国主要商業銀行代表、上海黄金交易図所的高級官員。

要は、昨年、金融監督庁(にあたる官庁)が銀行の金業務を全面解禁したので、金融関係者が金関連勉強会セミナーを開催しているのだ。「世界黄金協会(WGCも中国語ではこういう怪しげな名前になる)日本韓国区域総経理 豊島逸夫先生」も、これで3回目の講演となる。5月には政府が金投資アナリスト資格試験を導入する(まずは資格制度創設から入るというのが如何にも中国らしいが)というだけあって、とても熱心である。

週明けは、その模様でも報告しましょう。

2006年